高周波マッチング工房
Wave Technologyでは、高周波回路設計やアンテナ設計に関するお困り事を解決するサービスを高周波マッチング工房として提供いたします。
高周波回路の設計には“マッチング(整合)をとる”ことが必要です。この“マッチングをとる”という作業は熟練した技術が必要で、その技術はよく職人技に例えられます。そんな職人技で高周波回路を設計する現場のイメージを職人や芸術家の作業場である工房と重ねて、
『高周波マッチング工房』=『高周波』+『マッチング』+『工房』
と命名しました。
スミスチャートとは?
実際のマッチング(整合)ではスミスチャートを使用します。
ここでは、そのスミスチャートついて簡単に紹介します。高周波回路のいろいろな問題を数式を用いて解くことは、複素計算になるのでかなり面倒です。スミスチャートは、このような複雑な複素計算を図表上で簡単に行うことができるようグラフ化されたものです。このスミスチャートを利用すると、高周波回路を考えるうえでとても便利です。
それでは、ごく簡単にスミスチャートの説明をします。
右図がスミスチャートです。(実際のチャートには円外に種々目盛りがありますが、ここでは省略しています。)この円の水平軸が複素反射係数*の実数部、垂直軸は虚数部を表します。
(* 反射係数は入射電圧に対する反射電圧の比を表し、ベクトル数値(複素数)です。)
インピーダンスの実部(抵抗)成分は周波数によらず一定なので各円上は等抵抗であることを表します(等抵抗円といいます)。
上下に曲がった円弧上はインピーダンスの虚部(リアクタンス)成分が一定なので等リアクタンス円といいます。円の上半円部分は誘導性(インダクタンス)成分で、下半円部分は容量性(コンダクタンス)成分を表します。
さらに円の真ん中は普通”1”です。Z0で正規化しています。(実際のインピーダンスを特性インピーダンスZ0で除したものを正規化インピーダンスと呼びます。) 特性インピーダンスとは、分布定数回路上を伝わっている電圧の波と電流の波の比として定義され、Z0は50Ωや75Ωが一般的です。
すごくざっくりですが、スミスチャートの簡単な説明は以上です。
スミスチャートをもっと知りたい方は以下リンクで動画の説明もありますので、ご覧になってください。
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