Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

ノイズ対策 コネクタ周りの設計は十分注意しよう!

みなさんこんにちは。テクノシェルパ技術コンサルタントの赤谷です。

私にとっては新年一回目のブログ投稿となります。
本年もどうぞよろしくお願い致します。

今回のブログでは、ノイズ対策で見落としがちなコネクタ周りのハードウェア処理についてご紹介します。
(当社のEMC対策コンサルサービスはこちら

 

次の点からコネクタ周りの処理は、ノイズ対策で極めて重要です。

① 電気信号を筐体の外部に伝達するポイントである。
② コネクタ部は電気的には筐体の開口部となる。

 

①について

例えばカーオーディオやカーナビなどの車載機器は、車両側との通信や給電のために、ケーブルをコネクタに接続した状態で使用します。よって、コネクタ端で適切なノイズ対策が施されていないとノイズが外部ケーブルに伝搬してしまいます。この時、ケーブルはアンテナとして作用しノイズを外部に輻射します。

このため、ノイズがケーブルに伝搬しないようにコネクタ端にはコンデンサやフェライトビーズなどのノイズフィルタを設けることが大切です。

 

 

ここまでは一般的な話です。

 

②について

さらに高いEMC性能が求められる機器では、金属筐体を用いて電気的にシールドしますが、コネクタ部はシールドの開口部として取り扱う必要があります。

 

筐体のコネクタ勘合面

と言いますのも、コネクタの端子は金属性ですが、その他の部分は樹脂である場合が多く電気的には穴が開いているのと同じ状態になります。かと言って勘合面を塞ぐわけにはいきませんよね。

 

筐体断面図

上図は筐体の断面を示したものです。この図のようにコネクタ端にフィルタを設け、基板パターン上を伝搬するノイズを除去したとしても、ノイズ源から空間を伝搬しコネクタ背面の端子にノイズが飛び込んだり、コネクタの開口部から外部に輻射したりしてしまいます。

コネクタの端子に飛び込んだノイズは、外部ケーブルに伝搬しますのでケーブルからノイズを輻射してしまいます。

これらを防ぐにはやはりコネクタ開口部をシールドするしかありません。
では、どのようにシールドすれば良いでしょうか?

 

コネクタ部にシールドカバーを取り付けた場合の筐体断面図

 

コネクタ開口部のシールドは上図のとおり、筐体内部でコネクタを覆うようにシールドカバーを設置することで実現します。この時、シールドカバーの足は基板のグランドにはんだ付けすると共に、筐体と接触する部分はねじ止めすることで、よりシールド効果を高めることができます。

 

この例のように物理的(見た目)には穴はないと思い込んでしまい、電気的な穴を見落としていることがあります。ノイズは目に見えないため、どこで漏れているか発見し難いですが、ノイズ対策が必要となるケースでは必ずどこかに漏れている部分があるはずです。

 

とにかくノイズ対策は、落ち着いてノイズの要因を1点1点潰してゆくほかありません。それ故に時間もかかるため、非常に苦労するものです。しかし、実際の開発現場では時間に追われており、ノイズ対策でお困りの方も多いかと思います。

 

このようにノイズ対策でお困りの方は、当社の「EMC対策コンサルサービス」を是非ご利用下さい。ノイズ対策経験を十分に積んだエンジニアが課題解決のナビゲートをさせていただきます。

 

【関連リンク】

 

 © 2005 Wave Technology Inc.