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オーディオ回路にセラミックコンデンサはNG

みなさん、こんにちは。第一技術部の赤谷です。

最近、モバイル機器の普及と共にセラミックコンデンサの小型化と大容量化は目覚ましい進歩を遂げています。私が入社した20年くらい前は、10 µF以上のコンデンサとなると電解コンデンサってイメージがありましたが、今ではセラミックコンデンサにも100 µF以上のラインナップがあるようです。

サイズも0603サイズ(0.6×0.3 mm)以下のものがよく使われており、製品小型化の一役を担っています。(回路デバッグでは交換に苦労するのですが・・・)
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このようなセラミックコンデンサですが、使用するにあたってはその特性をよく理解する必要があります。特に高誘電率系のものは、温度や印加電圧によって容量が大きく変化するので注意が必要です。

今回のブログでは見落としがちな「衝撃」に着目し、セラミックコンデンサ使用上の注意点についてご紹介します。

 

私が若いころに回路設計を担当した無線機の試作品で、ベテランのエンジニアの方がドライバーのグリップ部分を使い筐体を軽くコンコンと叩いたところスピーカから大きなノイズ音が出力されて大変驚いたことを今でも鮮明に覚えております。その時、ベテランエンジニアの方に「オーディオ回路にセラコン使った?」って聞かれました。

無線機にはマイク入力やスピーカ出力などのオーディオ回路があるのですが、アンプの入出力に設けるACカップリングコンデンサとして、当時私はセラミックコンデンサを使ってしまっていたのです。

 

オーディオ回路のイメージ

 

すでにピンと来ている方も多いかと思いますが、実はセラミックコンデンサは圧電素子と同じ構造(いずれも誘電体であるセラミックを電極で挟んだもの)をしており、衝撃や圧力を外部から加えると電気に変換され、電圧を発生させる特性を有しております。この特性を生かしたマイク(コンデンサマイク)も存在するのです。

このため、下図のようにマイクに何も音声が入力されていなくても、外部から衝撃が加わることで、ACカップリングコンデンサに使用していたセラミックコンデンサで電圧が発生し、それがアンプで増幅されスピーカ出力されることで大きなノイズが発生していたのです。

 

衝撃でノイズが発生するイメージ

 

この時はセラミックコンデンサを電解コンデンサに変更し対策しました。ちなみに電解コンデンサには極性がありますので、DCバイアスレベルを確認して挿入する向きには十分注意する必要があります。

このようにコンデンサには多くの種類があり、それぞれの特性をよく理解し適材適所で部品を選定することが大切です。

 

私どもはEOL対応(生産中止・ディスコン)サービスなどで、お客様の回路情報を元に部品の置き換えを検討したりしますが、電解コンデンサやタンタルコンデンサなどが使われている箇所などは、設計者の意図を注意深く読み解くようにしております。容量のラインナップが増えたからと言ってセラミックコンデンサに安易に置き換えては、同じような失敗をする恐れがあるのです。

弊社では、このような設計経験を十分に積んだエンジニアが電気設計受託サービスEOL対応(生産中止・ディスコン)サービスを提供しております。

製品開発でお困りごとがございましたらお気軽にお声がけください。

 

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