Wave Technology(WTI) | 半導体周辺回路とその応用製品の開発・設計会社

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

屋内位置検知はセンシング技術がポイント。ミリ波レーダーで移動量を検出しよう!

みなさんこんにちは。テクノシェルパ技術コンサルタントの赤谷です。

昨今、新型コロナウィルスによる外出自粛が続く中、ネット通販があって助かった~って方も多いのではないでしょうか?私も、某ネット通販が無ければ、今の生活が考えられないほど、自身のライフスタイルに定着しております。

最近のネット通販では、注文した翌日にモノが届くなど、通販のネガティブな要素が最小化され、リアルなお買い物に近い感覚になっているから驚きますよね。(しかも大抵安い!)

これは物流の最適化(効率化)によるものであり、それは、お届けするモノの所在をリアルタイムに管理することで実現しているのです。

 

このような背景から、物流の拠点となる倉庫では、大量にある全てのモノが倉庫内のどこにあるのかリアルタイムに管理することが必要となり、それを可能にするシステム開発は群雄割拠の様相となっております。

このリアルタイム化でキーファクタとなるのが、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)やフォークリフトなど屋内倉庫でモノを運搬する移動体の位置検知です。

 

 

屋外ですと、GPSによって、比較的容易に位置を特定することができますが、屋内ではGPS受信できないことから、位置検知のハードルは、ぐっと上がります。現在、屋内位置検知には様々な手法がありますが、これらについてはテクノシェルパの「移動体の位置検出コンサルサービス」で紹介しておりますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

今回は、屋内位置検知技術の中で、相対位置検知なる手法に適用可能なセンシング技術について紹介いたします。

相対位置検知では、絶対位置を定義したポイントから、どちらの方向にどれだけ移動したかを検出することで、移動体の位置を特定します。

この移動量を検出するためには、加速度センサやジャイロセンサなどに加え、車輪の回転量を伝達する電気信号(以下、「車速パルス」という。)を利用します。(加速度センサやジャイロセンサだけでもある程度、移動量を検出できますが、振動・衝撃などの外的要因に弱く、より高精度に位置を検出するためには、車速パルスも必要となります。)

ここでネックになるのは、車速パルスであり、移動体から電気信号で取り出す必要があるのですが、既に、現場で稼働しているAGVやフォークリフトなどを改造して取り出すことは、不可能な場合が多いです。なんとか、加速度センサやジャイロセンサのように、後で移動体にポン付けできるもので車速パルスを取り出せないかな・・・ って、実は、ミリ波レーダーを利用すれば、実現できちゃうのです!

ミリ波レーダーは自動車の衝突安全などで利用されておりますが、その原理を利用することで移動体から対地速度を検出することができます。下図のようにフォークリフトなどの移動体にミリ波レーダーを取り付けて地面でレーダー光を反射させます。

 

 

この時、移動速度に応じてレーダーの送受光には周波数差が生じます。いわゆるドップラー効果と呼ばれるもので、この周波数差を検出することで、移動体の対地速度を算出できます。演算式は以下のとおりとなります。

 

 

このように、原理としては非常にシンプルですが、これを実用化してゆくためには、レーダーのチューニング、各種パラメータの調整などノウハウが必要となります。

当社は、ミリ波レーダーの取り扱いメーカと連携を強化しており、お客様のソリューションに合った最適な使用方法を、テクノシェルパの技術コンサルティングサービスとしてご提供いたします。このような技術導入でお困りの際には、是非お声がけください。

 

【関連リンク】

 

 © 2005 Wave Technology Inc.