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電子機器の構造評価で確認すべき内容とは?

みなさん、こんにちは。第一技術部 構造設計課の竹森です。

我々は筐体設計を初期段階(構想段階)から課題抽出・方向性の検討を行い、仕様に応じて熱・応力のシミュレーションでそれぞれの課題を検証しながら進めております。

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そして、設計後は仕様を満足しているかを試作品で評価する必要があります。今回は、モバイル通信機器の開発・設計業務で行う代表的な評価(落下試験、防水試験)についてお話しします。

 

1.落下試験

筐体の強度を確認するのに最初に行う試験です。

手で持って落下させた場合、注意していても落下する間に姿勢は変化します。落下で生じる故障には、衝突箇所に強く依存して現れる故障があります。そのため、落下試験は姿勢を維持したまま落下させることが重要になり、下図のように姿勢制御が可能な「落下試験機」を使用することが望ましいです。

 

図1.  落下試験機

試験後に注視する点は破損個所の特定はもちろんですが、要因を特定するために破損のモードを詳しく把握する必要があります。

●筐体の破損

外観の樹脂筐体、内部のリブなどに割れ、欠けなどがないか。

●回路部品の剥離

内部のリブなどが回路部品の近傍にあれば、落下時の衝撃によってリブが直接部品に干渉したり、このリブを介して搭載基板に強い衝撃が伝わるなどして回路部品が剥離することがあり、公差を考慮した適切な空間(AやB)の確保が必要です。

 

図2.  電子部品

●液晶パネル(ガラス基板)の割れ

他の構造物の接触による割れであれば、他部品との距離を確認します。筐体の歪みによる割れであれば、どちら側の歪み(曲げ)なのかを確認する必要があります。

 

図3. 液晶パネルのガラス基板表面が割れている場合

 

2.防水試験

防水に関する保護等級はIEC(国際電気標準会議)やJIS(日本工業規格)で定められており、製品目的に合った試験方法を選択する必要があります。

 

 

図4.防水試験(IPX6の試験時)

 

水の侵入が確認されると、どこから侵入したかを見つけることが先決であるため、試験前に水の侵入する可能性がある箇所に水没検知シールを貼り付ける等の準備が必要です。この準備を怠ると、何度も試験を行うことになりますので注意が必要です。

また、電子機器に直接、空気を送り込み水槽内へ水没させることによって、空気が漏れている箇所(泡が出ている所)を特定する方法もあります。

 

図5. 水没試験

試験の結果、防水パッキンを樹脂筐体で挟む構造(下図)で空気が漏れることがあります。

 

図6. 筐体断面

その場合、部品のねじれ、組み立て不良(防水パッキンのねじれ、樹脂筐体の勘合良など)などが考えられますが、パッキン溝の面にスライドの段差、ヒケなど均一になっていない面がないかを確認することも必要です。対策としては、スライドの段差、金型の分割などが防水面に出ないように設計段階で検討することが重要です。

 

構造評価としては、他にも押し圧試験、打鍵試験などがあり、WTIでは、さまざまな試験の対応が可能です。こんなことができないか?というご相談がございましたら、まずはお気軽にお声をおかけください。

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