「マネジメント」の概念を発明したピーター・ドラッカーの著書は、珠玉の知恵が満載です。
ドラッカーの知恵は深く探求された根本的なものであるために、参考になるのは経営だけではありません。
例えば、当社WTIの技術サービスの説明にも応用できます。
ドラッカーは、経営管理者の仕事は以下のようにすべきだと言っています。
- 勘と直感で行ってきたことをシステムと方法論によって行うこと
- 個別の事象を全体へと統合し普遍的なコンセプトを形成し、原則を適用すること
これらを私なりに、開発設計サービスに当てはめると、
- 開発設計は、勘と直感ではなく体系立った方法で取り組まなければならない。
- 個々の設計案件をその都度的な方法で設計するのではなく、統合された考え方に基づき普遍的な原則で設計しなければならない。
となります。
なぜ、勘や直感に基づく設計はやめた方がよいのでしょうか。
1つには属人化するからです。
勘や直感は各個人に備わるものですから、他の人は同じ勘や直感は持っていません。
その人が休んだり、退職してしまったら、その設計を再現することはできません。
第2に、個人技であるために技術を伝承することが難しいからです。
第3には、同じ人が設計する場合も勘や直感はその時々で変化するものですので、同じ人であってさえも再現性が担保されにくくなります。
第4に、勘や直感は、過去に手がけてきたこと大きく異なる新しいものに遭遇したときには、どう作用するかが予測できないことが欠点です。
次に、何故、設計案件毎に異なる方法で設計してはいけないのでしょうか。
それは、効率が悪くなるからです。
毎回、設計のアプローチが異なるということは、毎回やり方から考えないといけないことになります。そしてそのアプローチが目の前にある設計案件に正しく機能するかどうかはやってみるまで分かりません。
ですから、体系立ち統合された、普遍的な方法で設計することが非常に肝要ということなのです。
以上のことは、当社の開発設計サービスの中で特に「筐体設計」によく当てはまります。
筐体設計とは、電子機器のケース、入れ物の設計のことですが、材料の選定から形状、厚み、ねじ止めの位置、防水パッキンの絞め具合など、様々な要素を考慮する必要があります。
これらを勘や直感に基づいて設計したり、毎回違う原則やアプローチに基づいて設計すると、仕様を満たさなかったり、設計に時間がかかったり、やりなおしの必要が出たりということが起こり、設計効率が悪化します。
そこで、熱や応力などの物理の理論的見地に基づいた普遍的、体系的なアプローチを採るという選択をするのです。
筐体というモノの耐久性を担保しながらコストを最小限にする解は、シミュレーションや実験で求めることができます。 物理現象の解析ですから、やり方は物理法則に基づく普遍的なものです。従って、毎回同じアプローチを採ることができ、各々の人の素養に頼りません。
普遍的な方法を取り入れたらよいとわかっても、では実際、自社はどのように進めればよいのか、という疑問が出てきますよね。
自社の筐体設計をどのようなアプローチにしていけばよいかについては、専門家のアドバイスを受けることが必要です。筐体の技術コンサルティングを行う企業に依頼することができます。
また、体系的な設計手法による設計を依頼したいというご要望は、信頼できる開発設計会社に依頼すればよいと思います。
これまでやっていた方法から離れて、社外の専門家に依頼するのは勇気がいるかもしれませんが、相談無料の開発設計会社にまず話をしてみることはお勧めです。少し感じが分かると思います。
そして、勘・コツ設計から脱却すると、失敗・やり直しが減少しますので、時間とコストの削減になることもよく考慮されると良いでしょう。
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