
ア.ゼロボルト イ.不定(電圧は定まらない) ウ.5 V
みなさんいかがでしょう?正解はウの5 Vなんです。しかし、なぜウが正解なのでしょうか?その理由を一緒に考えてみましょう。 SWがOFFになることであきらかなのは、電流Iが流れないこと。つまりゼロアンペアだということです。ここで電流Iがゼロアンペアでも、あえてオームの法則を考えてみましょう。考えるのは、難しそうなSWについてではなく、抵抗R1についてです。 抵抗R1の両端の電圧Vabは、オームの法則から、Vab=IR1
で求められます。いま電流Iがゼロですので、Vab=0[A]・100[Ω] が求まります。V1はVabとVbcの和ですから、
V1=Vab+Vbc
です。ここでV1は5 V、Vabは0 Vなので、5[V]=0[V]+Vbc
よって、Vbc=5[V] 従って、SWがOFFのときのSW両端の電圧Vbcは5 Vであるということが証明されました。 みなさん、いかがでしたでしょうか?SWがONのときは、オームの法則で考えることができた人も、SWがOFFのときには、電流が流れないという現象だけに意識が向いてしまい、混乱された方も多かったのではないかと思います。オームの法則というのは回路の基本法則ですが、法則をきちんと理解していないと適切に使うことができず、混乱してしまうのです。 今回は最も基本的なオームの法則を例にとり、原理原則に基づき回路を読み解くコツをご紹介しました。 次回は、回路を考える上で「公式依存の落とし穴にはまらないない」ためのコツについてご紹介したいと思います。 テクノシェルパの技術講座では、原理原則に基づく徹底した基礎学習を行ってもらう教育メソッドを、講座の随所に盛り込んでいます。
