株式会社Wave Technology(WTI)の社長 石川高英です。
この社長ブログでは、採用面接やインターンシップの際に、学生さんからいただくご質問に、私がどう答えたかについて時折紹介してきています。
【 過去に紹介したご質問へのお答え】
- 学生さんからの質問への答え:「仕事を長く続けていくための秘訣は何でしょうか?」
- 学生さんからの質問:御社が継続して発展している理由を教えてください
- 学生さんからの質問への答え:「電気・電子系以外の専攻の人は、入社後WTIの技術者としてやっていけるものでしょうか?」
- 学生さんからの質問への答え: 「実務経験を持たない新卒者を雇う経営的な意味は何でしょうか?」
- 学生さんからの質問「学生時代には、何をやっておけばいいでしょうか?」への答え
- 学生さんからの質問「海外との取引はありますか?海外企業との仕事を増やす予定はありますか?」
- 学生さんの質問「資格を取ると採用に有利になりますか?」
- 学生さんからのご質問「ある程度のレベルの技術をいくつも保有している人って、どうなのでしょうか?」への答え
- 学生と社会人の違いとは
今日ご紹介するご質問は、「社長のモチベーションとは何ですか?」です。
この質問をされた学生さんは、WTIが次々と新しいチャレンジを続けていることに気づかれ、そのようなチャレンジを続けている会社の社長はどのようなモチベーションを持っているのかをお知りになりたいようでした。
新卒採用面接でいただく質問の多くは、当社のことや、学生さん自身へのアドバイスを求める内容が多いことに加え、経営コンサルタントがクライアント企業の社長に質問するような内容でもあったため強く印象に残っています。
ちなみに、当社が行っているチャレンジにおける社長の役割は発案者や指揮者といった意味合いが強く、社内の多くの人たちが力を合わせて成果を生み出していることはご理解いただければと思います。
その上で、企業経営者が共通して持っていると私が考える、モチベーション又は原動力は何かというご質問として当日の回答内容に言葉をかなり補って回答させていただきます。
多くの企業トップに共通するモチベーションや原動力は「真摯さ」であると考えています。
「真摯さ」という言葉は日常で頻出する言葉ではないため、ピンときにくいかもしれませんね。ピーター・ドラッカー「現代の経営 上(ダイヤモンド社)」では、リーダーの不可欠の素質として述べられています。
この言葉の私なりの解釈は、「使命感」、「責任感」、「誠実さ」、「ひたむきさ」を合わせたような意味あいです。人の心のかなり深いところにある、自分という枠も超えた「素の感覚」です。
会社が良くなるにはどうすればいいか、ただそれだけを、息をするくらいごく自然に考え続けている状態が経営者の「真摯さ」です。
物事には様々な側面があり、また、関わっている人数分だけ異なる見方があります。何が良くて何が悪いのかの判断は、人それぞれの立場によって異なります。ですから全ての人に対して100点満点を取ることは非常に難しいものです。
とはいえ、企業のトップは社会、顧客、株主、社員に対する責任を負っており、すべてのステークホルダーに対する責任をバランスよく果たすことを考え実行することが求められます。
そのためには、物事の異なる側面、個々の人の見解を超える心の深いレベルに気持ちを置くことが大切になります。その状態が「真摯さ」です。
前述のドラッカーの著書には、「知識がなく、仕事もたいしたことがなく、判断力や能力が不足していても、害をもたらさないことはある。しかし真摯さに欠ける者は、いかに知識があり、才気があり、仕事ができようとも組織を腐敗させる。」とあります。
リーダーである以前に、その人がいかなる人物であるかが問われるのです。