「本来やるべき設計の時間が取れない!」というのは、私共のような開発設計会社が、エレクトロニクス系メーカの設計部門の方々からよくお聞かせいただく生の声です。
設計者なら設計をするのが本業ですが、多くのメーカー様では、設計者の方の時間は、設計以外の作業が多くを占めるというのが実態とお聞きします。
例を挙げてみましょう。
1.トラブル対策
開発試作品が完成し基本性能が満足されていることまで確認できれば、次にEMC規格の認証を受けるステップに進みます。
これを行ったことのある技術者の方は「うんうん」と同意いただけると思いますが、結構大変な作業です。EMCの規格に適合していないことが判明すれば、そこから即、ノイズ対策の開始です。
しかし、そのノイズ対策がなかなかうまくいかないことが多いものです。
基本的な考え方やよく知られたノウハウを適用することで奏功し、すんなり解決することもありますが(EMCのノウハウはこちらで公開しています)、うまくいかないときは徹底的にうまくいかないものなのです。
こちらにパスコンを入れたり、あちらにビーズを挿入したり、配線の引き回しを変えてみたり、あれこれとやってもやっても雑音レベルが下がらない、、、どころか逆にレベルが上がってしまうことさえあります。
「そろそろ別の開発品の設計に入らないといけないのに、ここで時間を使っている場合ではない!どうしよう?」と、設計者は焦り始めます。
2.試作品評価
開発が進み、試作品ができあがると評価作業に入ります。開発品ですから評価系は自動化されていることはなく、設計者がひたすら手計りを繰り返します。
単純な繰り返し作業とは言え、定型化されていない非定常作業であるだけではなく、データに異変が発生すれば、それが異変と気づけて直ちにフィードバックできるのは設計者だけですので、誰かに依頼することもできず、黙々と設計者が測ります。
「あ~、この時間がもったいない! 誰かがこれをやってくれたら、設計時間に充てられるのに~」と心の中で叫びます。
3.環境負荷物質調査
開発品を製品として世の中に出す際には、顧客から環境負荷物質の調査結果の提出を求められることがあります。実は、この作業、どの部門が行うかはその企業毎で異なっているんですよ。設計部門であったり、調達部門であったり、営業部門の場合もあります。しかし一番多いのは設計部門のようです。
ですから、設計者が調達先から環境負荷物質をヒアリングしてフォーマットにまとめる作業をやっていることが多いのです。
この作業が結構大変なんですね。なにせ調達先の教育から始めないといけない場合があるからなんです。それに加えて、客先毎に求められるフォーマットが異なっていることも普通ですので、それぞれに対して個々に対応していかなければなりません。上述の1,2よりもさらに設計から遠い作業になっているために、「やってられない度」が一段上がります。
4.EOL(生産中止)対応
近年、電子部品の生産中止に伴う、代替部品調査、置き換え再設計、再設計に伴う評価、の作業がメーカーの開発設計現場で増大しています。
EOL対応の作業は単に設計者の負荷を増大させるというばかりではなく、モチベーションにも影響を与えます。
それは、過去に設計を終えている製品をもう一度設計し直すという作業が、新製品を開発することに比べて付加価値が低く、後ろ向きの仕事に感じられるためです。
EOL対応は、メーカの設計者にとって、時間的な負担とともに心理的にも「やってられない度」が高い作業なのです。
以上見てきましたように、メーカの設計者は本業の設計作業とは別に様々な作業に時間を取られているために、最も会社に貢献できるはずの製品開発に対して、充分に時間を使えていないという実態があるのです。
私共開発設計会社は、そこを何とかしたいと思っているのです。
日本の力を持ったメーカー様がさらに躍進されるために、会社の付加価値を高めることに時間を集中的に使っていただきたいのです。
EMCのトラブル対策も試作品評価も環境負荷物質調査もEOL対応も、様々な技術を蓄積した設計者を擁する開発設計会社なら、なんなくお客様の代わりを遂行できます。
むしろ、日頃からお客様から持ち込まれる様々な案件をこなしている開発設計会社は経験が豊富であり、効率的に作業をこなせることが多くあります。
あらためて、開発設計会社なら何ができるか確かめてみませんか?
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