今回はπ型アッテネータのお話です。
前回まではT型アッテネータの話をした。今回はπ型アッテネータの話をしよう。
複雑な回路に見えるが、オームの法則だけで説明ができる。
考え方の基本は、T型アッテネータと同じように考えるのじゃ。まずは基本形を示そう。
上の回路図のうち、信号源出力から見たインピーダンスがZ0に見えるように、π型アッテネータの抵抗定数R1、R2を決めていくのじゃ。
信号源出力から見たインピーダンスは以下のような式になるのですが...
T型アッテネータのようなやさしい式ではないわ。
なみりんが言うとおり、π型アッテネータは抵抗器と負荷Z0ではしご状に構成するため、複雑に見える。
しかしT型アッテネータと同じように電圧減衰率Kから求めていけばいいのじゃ。下の図を見るとR2の両端で電流の分岐点①、②がある。この分岐点でキルヒホッフの電流則(任意接点における流れ込む電流の和と流れ出る電流の和の大きさは等しい)を使うと2つの式ができる。
電圧減衰率KはT型アッテネータと同じでV0/Vですね。
キルヒホッフの電流則で得られる2つの電流式は下のとおりです。
この①と②の式にはIR2なる共通項があるので、1つの式にまとめてみよう。
あらら、式をまとめるうちにVとVoでまとめることが出来たわ。V0/Vの形に持っていけそうだわ。
Kが求まったようじゃな。これが、π型アッテネータの電圧減衰率なのじゃ。
この式はR1とZ0だけで構成されているので、そのままR1を求めることができるぞ。
次はR2を求めるところじゃが、続きは次回にしよう。