抵抗減衰器(アッテネータ)のお話です。
なみりん、高周波電力を測定する時はどんな測定器を使っているかい?
私がよく使うのはスペクトラムアナライザですね。
でも高周波電力を測定する時はパワーメータを使うこともありますね。
測定したい電力が測定器の入力定格を超えている場合は、減衰器(以下、アッテネータとよぶ)を使って測定器の入力定格範囲内に収めて測定することがよくある。今回はアッテネータの原理について考えてみよう。
i-NARTE EMCエンジニア・テクニシャン、第1級陸上特殊無線技士、第1級陸上無線技術士の資格取得を考えている人には、是非知っておいてほしい内容なのじゃ。
昇平博士、アッテネータ内部はどんな回路構成ですか。
回路構成は大きく分けてT型とπ型の2種類がある。
T型、π型と聞いただけで回路が複雑な感じがします。
回路計算が難しくなったりしませんか?
なみりんよ、難しく考える必要はないのじゃ。回路計算はオームの法則だけで説明ができるぞ。
さっそく、T型アッテネータについて動作を調べてみよう。
下の回路のうち左側に示した回路が基本形になる。信号源の出力インピーダンスZOUTと負荷インピーダンスZLを共にZOにすると、信号源出力電圧Vは信号源起電力Eの半分になる。
これと同じように右側の回路図のうち、信号源出力から見たインピーダンスがZOに見えるように、T型アッテネータの抵抗定数R1、R2を決めていくのがポイントじゃ。
つまり、信号源出力から見たインピーダンスは以下のような式になるのですね。
そうじゃな。R1とZOを直列合成したものを、R2と並列合成する。さらにR1と直列合成したものがZOになるということじゃ。続きは次回に説明しよう。