今回は、コンデンサ(キャパシタ)のお話です。
なみりん、キャパシタのインピーダンスはどんな特徴があるか説明できるかい?
そうじゃな。 つまりハイパスフィルタ(High Pass Filter)と呼ぶわけだね。 信号源からレシーバの見え具合を反射状態(Sパラメータ)で表現したものが下図じゃ。 周波数が低い時は、信号源とレシーバ間のキャパシタは開放状態になるので信号源からはレシーバが見えない。 次に周波数を徐々に高くすると軌跡はレシーバ側に近づき、さらに高くするとやがて信号が全てレシーバに届くことを示しておるのじゃ。
信号周波数が分かってても、肝心な容量値はどうやって決めたらいいの? そこが知りたいんですよ~、博士。
容量値の設定は、シミュレーションソフトで把握することができるぞぉっ。。
博士!! シミュレーションソフトがあったら、ここでわざわざ聞かないわよっ。
そっか。。 信号周波数とコンデンサの自己共振周波数が同じようになる容量値を選べばいいのね。。 ん!? ところで博士、このつなぎ方は伝送回路の扱いとしては分かるのですが、EMI対策としてどんな使い方をするんですか?
このつなぎ方はハイパスフィルタゆえに、 遮断周波数 < 信号周波数 であることが必要なのじゃ。 なので、、、 ・ 信号周波数が高い(数GHzになる)とキャパシタも小さく(遮断周波数も高く)することができるので、その分周波数の低い(DC~数百MHz)ノイズが排除できる。 しかし、注意点もあるんじゃ。 ・ 信号周波数より高い周波数のノイズは、キャパシタを通過するので抑制できないのじゃ。 ・ 信号周波数そのものが低い(kHz~数MHz)と、DCレベルのノイズしか排除 できないのじゃ。 実際に回路へ追加する場合は、信号そのものに劣化がないか確認した後で、EMI効果を評価をするんじゃぞ。 話が長くなったので、2つ目(b)のつなぎ方については次回にお話しよう。