Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

#021 電源 ~パワエレ設計(スイッチング素子)~

使用用途によりスイッチング素子は様々であり、ダイオード、サイリスタ、パワートランジスタをはじめ、IGBT、MOSFET等があります。 パワエレの分野においては、スイッチングによる低損失な電力変換が最も重要となります。 このスイッチング動作については、高周波成分の除去と損失の低減が課題となります。 前者は、高い周波数で高速にON/OFFすることで、電流や電圧はパルス状の波形となり、必ず高調波成分が発生します。 この高周波成分の除去には、LやCのフィルタが必ず必要となります。スイッチング周波数を高くすると、フィルタのカットオフ周波数も高く設定できます。 フィルタのカットオフ周波数は、fc=1/2π√LCで決まるため、カットオフ周波数を大きくすると、LやCを小さくでき、小型化や高効率化に繋がります。 後者は、損失の小さい素子を選定することが必要となります。スイッチング素子によって発生する損失は、導通損失とスイッチング損失の2つに分けられます。 この2つの損失を合計したものが、スイッチング損失であり、素子の種類によって大きく変わります。 ■導通損失 スイッチング素子がON状態であるときも、コレクタ-エミッタ間電圧は、ゼロになる訳ではありません。 したがって、電流を流せば、必ず損失が発生し、次式で算出されます。

Pon=Vce(sat)×Ic

※Pon:導通損失(W)、Vce:コレクタ-エミッタ間の飽和電圧(V)、コレクタ電流(I) ■スイッチング損失 スイッチング素子が、ON/OFF時に電流や電圧が一瞬でゼロになる訳ではありません。 したがって、切り替わりの際には、必ず損失が発生し、次式で算出されます。

Psw=∫vce×icedt

※Psw:スイッチング損失(W)、vce:コレクタ-エミッタ間電圧(V)、ic:コレクタ電流(A) これらを考慮した上で、仕様(性能/コスト)に見合う素子を選定する必要があります。

 © 2005 Wave Technology Inc.