みなさん、こんにちは。
営業課の塩谷です。
今回は当社で行っている環境負荷物質調査の関連サービスである成分分析調査についてお話しします。
chemSHERPAやIMDS等の製品含有負荷物質代行の商談の中で、成分分析のご要望をいただくことが度々あり、2021年から成分分析を専門とする外部の企業様との連携により成分分析調査サービスを開始しました。
成分分析は、例えば「有機スズ化合物」とか「REACHのSVHC物質」等、特定の物質について行います。稀に「どんな物質がどれくらい入っているか?」といった全成分を対象とした成分分析のお問合せをいただきますが、精度やコスト面から難しく、別の方法をご提案するなどお客様と相談しながら対応しています。
<最近の動向>
最近、お問合せが増えているPFASとフランス鉱物油規制のMOSH/MOAHの2つの成分分析についてご紹介します。
【PFAS類(有機フッ素化合物)】
テレビ等にも取り上げられ何かと話題になっているPFAS(パーフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル化合物)ですが、人工の有機フッ素化合物のことです。
物質数は4700~1万物質以上で家庭用品や工業製品などにおいて撥水剤や塗料等広く使用されています。安定した化学物質で残留性があることから規制の動きが高まっています。
PFAS類のPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)は既に化審法やPOPs条約等で既に規制されており、今後は更に対象物質が増加すると思います。
当社サービスは、既に規制がかかっているPFOS、PFOA、PFHxSを中心に成分分析に対応しています。
【フランス鉱物油規制 MOSH/MOAH】
包装材や宣伝広告チラシ、カタログ等への鉱物油使用をフランスが禁止することを表明しました。
2023年1月1日から、インキ中の質量濃度1%超のMOAH(ミネラルオイル芳香族炭化水素類)の使用を禁止、2025年1月1日からは、インキ中の質量濃度0.1%超のMOAH(ミネラルオイル飽和炭化水素類)およびMOSH、ならびに芳香環3~7個の化合物の質量濃度1ppm超のMOAHの使用が禁止となります。
成分分析に対応する会社も少なく、最近お問合せが増えております。
<代表的な成分分析対応>
その他、問合わせ頻度の高い3つの法規(物質)についてご紹介します。
【RoHS】
電気電子機器を対象とした法規で対象は10物質です。
RoHSは均質材料中の含有率の判定値が0.1%(カドミウムだけ0.01%)なので、例えば3つの均質材料で構成された部品は材料毎で判断が必要です。この場合、部品の成分分析で対象物質の有無を確認し、万が一含有があれば材料毎に追加で分析することになります。
【REACH SVHC】
SVHC(高懸念物質)は2回/年の物質追加があり、2023年10月現在で235物質(第29次)になります。対象物質数は多いですが、メジャーな法規でもあり物質数の割に費用は割安です(価格は個別にご相談ください)。また、SVHCの場合、次の追加候補物質を事前に公表されますので適用前の事前確認等についてもご相談ください。
【TSCA】
2021年の米国TSCA(有害物質規制法)第6条(h)項でPBT(Persistent, Bioaccumulative, Toxic)5物質と、化学物質だけでなく含有する成形や製品の製造・加工・流通の禁止及び制限が表明されました。
制限は既に開始していますが、潤滑材やグリース、コーティングや接着剤、プラスチック製品の可塑剤や難燃剤等広く使われているPIP(3:1)(名称:リン酸トリス(4-イソプロピルフェニル))は2024年10月までの製品加工や流通が認められたこともあり、現在も含有部品が流通している可能性があります。
環境調査でお悩みの際には、お気軽にWave Technologyにお声かけください。
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【関連リンク】
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