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サーミスタと温度検出回路について

みなさんこんにちは、電源設計課の藤田です。
今回は、サーミスタと温度検出回路についてお話します。

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サーミスタ(thermistor)とは、熱に反応する抵抗体として知られ、下記のように正特性、負特性で2種に分けられ、各々用途にあわせて活用されています。

■PTCサーミスタ(Positive-Temperature-Coefficient)
 温度が上昇した時に抵抗値が上がるタイプ

■NTCサーミスタ(Negative-Temperature-Coefficient)
 温度が上昇した時に抵抗値が下がるタイプ

今回は、NTCサーミスタを使用した温度検出回路について説明します。

 

NTCサーミスタの抵抗は負の温度特性を持ち、一般的には近似式①が使われます。

 

 

各定数の定義は以下のとおりです。

・Ra:温度Ta(℃)でのゼロ負荷抵抗
Rb:温度Tb(℃)でのゼロ負荷抵抗
BB定数(K)
  (ゼロ負荷抵抗とは測定電流による自己発熱が無視できる条件での測定値)

例えば、B=3434、Tb=25(℃)のとき、Rb=10(kΩ)となる仕様のサーミスタがあった場合、①式よりTaRaは、図1のようにグラフ化できます。
温度に対する抵抗値が読み取れます。

 

図1  サーミスタの温度特性

 

次に、この特性のサーミスタを用いた温度検出回路を図2に示します。

この場合、サーミスタは、2.4 kΩの抵抗と直列接続され、両端に5 Vを印加されるため、検出信号は、2.4 kΩの抵抗との分圧値になります。

 

図2  温度検出回路

 

この回路の温度特性を解析したものを図3に示します。

NTCサーミスタは高温で抵抗値が小さくなることから、検出信号は高温で電圧値が上昇します。

 

図3  温度検出特性

 

身近な電気製品では、コロナ禍で必需品となっている体温計(接触型)も同様の検出回路が用いられています。

 

 

 

この他にも、電気素子の温度モニター、過熱保護といったところで温度情報を得るため、同原理の温度検出回路は多くの電気製品で用いられています。当社でも、電源をはじめとする各種回路の温度検出や加熱保護用途ではよく用いられています。

ちなみに、当社では熱に関連するCAE解析(熱応力シミュレーション)サービスもご提供していますので、フロントローディング(具体的な設計に着手する前段階での検証)のご要望にもお応えできます。

 

以上、サーミスタと温度検出回路についてご紹介させていただきました。

WTIでは、各種電源の設計・評価をはじめ、アナログ・デジタル回路や高周波・無線回路の設計・評価サービスをご提供しております。

また、熱・応力シミュレーション(CAE解析)、ノイズ対策、またリバースエンジニアリング、カスタム計測、機構設計など幅広い知識と経験を有しております。

何か困ったことがあれば、是非ご相談ください。

 

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