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オペアンプをコンパレータとして使えないか?

みなさんこんにちは。電源設計課の合田です。

今回はオペアンプのちょっとイレギュラーな使い方についてお話しします。使い方に注意は要りますが、使い方次第では部品点数を節約できることがあります。

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回路設計をしている中で、オペアンプやコンパレータを使うことがあると思いますが、こんなことを思ったことはないですか?

ここにコンパレータが必要だけど、1つ部品が増える・・・。
すぐ近くに4個入りのオペアンプがあって1つ余ってるんだけど、これをコンパレータの代わりに使えないか??
もし使えたら基板面積や部品コストの削減にもなるんだけど・・・。

 

結論を言いますと、条件次第で使えます。
但し、使用に際し、オペアンプの仕様や特性に関して下記注意事項があります。

 

1.入力段の構成に注意!

オペアンプはフィードバック制御をしますので、基本Vin+ = Vin-です。

大きくずれた時に入力段の素子を保護する目的でクランプダイオードが入っていることがあります。この状態でコンパレータとして使うと、ダイオードに大きな電流が流れて破壊することがあります。

そういう訳でクランプダイオードの無いオペアンプを使う必要があります。

 

図 コンパレータには使えないクランプダイオード付きのオペアンプ(要注意!)

 

2.コモンモード入力電圧に注意!

オペアンプとして使用する場合、Vin+、Vin- はコモンモード入力電圧範囲内で使うように設計するので問題ないのですが、コンパレータの入力電圧はGNDレベルから電源電圧レベルまで広範囲に振れる可能性があります。その時にオペアンプの内部回路が動作できない領域に入ると出力が意図せぬ方向に反転してしまうことがあります。

そのため、レール・ツー・レール入力のオペアンプがいいですね。

 

3.応答速度に注意!

オペアンプをコンパレータとして動作させると、内部回路が深い飽和状態になる可能性があります。一度深い飽和状態になるとその状態から抜け出すのに時間が掛かるので、高速コンパレータとしては使えません。

 

その他にも、出力段の電源関係など注意する点があります。

もともとの使用用途が違うので、注意して使わないといけないという事です。使う前には実機評価をしたほうがいいですね。

シミュレーションもいいですが、オペアンプ用のパラメータになっていて正しい結果が得られない可能性があります。

 

今回はオペアンプをコンパレータとして使うときの注意点についてお話ししました。

WTIでは、電源設計、評価はもとより、各種シミュレーション、ノイズ対策、またリバースエンジニアリング、カスタム計測、機構設計など電源以外のことや電気回路設計以外でも幅広い知識と経験を有しております。

何かお困りのことがありましたらまずはお気軽にご相談下さい。

 

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