みなさん、こんにちは。WTI構造設計課の山田です。
前回のブログ「金属筐体ってどうやってできてるの?」では、開発に携わっている板金筐体の加工方法についてお話しさせて頂きましたので、今回は板金筐体の接合方法についてお話しいたします。板金筐体は仕様、用途によって、どの接合方法が最適なのかを見極めて設計することが必要ですが、ここでは代表的な例を簡単に紹介します。
【筐体設計で必要となる技術はこちら】
1.ビス接合
1-1)タップ加工
2枚の板金同士をビスのみで締結する方法で、片方の板金に穴を開け、もう片方の板金にタップ加工を施しておいてビスで締結します。ビス締結のため、容易に分解することが可能ですが、締結箇所全てにタップ加工が必要となってきます。
1-2)タッピングビス
タッピングビス(ビスでタップを切るタイプ)を用いることで、板金へのタップ加工を施さずに締結することが可能となります。繰り返し強度が劣るので分解して再利用するような箇所には注意が必要です。
1-3)ナット固定(カシメ又は溶接)
予め片方の板金にナットを固定(カシメ又は溶接)しておいて締結する方法です。強度が必要な箇所を締結する場合に用います。
部品(ナット)が追加になってしまうので、1-1)、 1-2)に比べてコスト面では劣ります。
2.リベット接合
2枚の板金同士に穴を開けておいて、リベットを通して専用工具で引っ張って先端を潰して締結する方法です。ビス締結よりも簡単に締結でき、作業時間が短縮できます。
一度締結すると分解し難いという面もあります。
3.溶接
溶接機を用いて材料を溶接又は圧接して接合する手法です。
板金に締結用の穴をあける必要がなく、ビス、リベットのように締結後の突起物をなくすことが可能です。溶接後の仕上がり強度にバラツキが生じ易いという面もあります。
以上、代表的な接合方法を紹介しましたが、それぞれに特徴があります。
最初にも述べましたが、我々は設計の初期段階からどの方法が最適なのかを見極めて設計しますので、お客様の様々なご要求に見合うご提案が可能です。お気軽にご相談ください。
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