みなさん、こんにちは。光デバイス設計課の山野です。
前回のブログでクレーム対応のフローについて紹介しました。今回は「不具合原因の推定」で使用する故障解析手法の一つであるFTA(Fault Tree Analysis、故障の木解析)について、説明したいと思います。
FTAとは「Fault Tree Analysis」の略称で、故障の木解析とも呼ばれています。
JIS規格では「故障の木解析(FTA: fault tree analysis)(以下,FTA)は,設定した頂上事象の発生の原因,潜在的に発生する可能性がある原因又は発生の要因を抽出し,頂上事象の発生条件及び要因の識別及び解析を行う手法である。」と記載されていますが、これでは分かりづらいと思いますので、もう少し実例を交えて、説明したいと思います。
例として「製品内部に異物が混入していた。」という不具合で流れを説明します。
- 初めに製品内部に異物が混入する要因として、「出荷前から異物が混入」「出荷後に異物が混入」の2項目が1次要因として考えられます。
- 次に1次要因の「出荷前から異物が混入」が発生する要因として、「組立時に異物が混入」などが考えられます。これらを繰り返し行うことで基本要因まで段階的に掘り下げていきます。
- 最後に基本要因について、発生する可能性の有無を判定します。判定した後に裏付けをとるため、実験を行い、再現するかどうかを確認します。
図1. FT図
FT図を作成するためには設計内容や製造工程、客先での使用環境などの様々な知識と情報が必要となります。如何に抜けなく要因を洗い出すことができるかが重要なポイントです。
FT図は不具合原因究明の起点となるものなので、クレーム対応に限らず各種不具合の初動として実施すると、以降の解析や対策を迅速かつ確実に行えるようになりますので、みなさんも活用してみては如何でしょうか。
WTIでは、半導体製品の設計や組立、検査等に関する幅広い知識と経験を有しており、製品の故障解析や寿命予測、故障率の算出なども対応することが可能です。これらのお困りごとがございましたら、お気軽にWTIまでお問合せください。
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