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IEEE802.11ax(Wi-Fi6)対応Wi-Fi製品の技術基準適合証明(技適)の注意点

みなさん、こんにちはシステム設計課の小川です。

最近、輸入したWi-Fi製品を国内で使用するために、技術基準適合証明(技適)や工事設計認証を取得したいというお客様が多数いらっしゃいます。しかし、過去のブログでもお伝えしたように各国で電波法が異なるため、日本の電波法に適合するように送信電力の調整が必要になることがあるので注意してください。

その中でも、IEEE802.11ax(Wi-Fi6)対応製品については技適の取得に際し注意が必要です。

 

まず11ax(Wi-Fi6)の特徴としてOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)伝送方式が挙げられます。

Wi-Fiの通信にはOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)という技術を用いられており、使用するチャンネルあたりの帯域幅の中で、複数のサブキャリアに分けて通信しています。

下図のように、これまでのWi-Fi通信では、一つのチャンネルを一つのWi-Fi機器が占有して使用していましたが、11axではサブキャリア毎に同時に複数の無線機器が通信できるようにしています。これがOFDMAという技術です。

 

 

技適では、送信電力(空中線電力)は送信帯域幅のトータル電力ではなく1MHz当たりの電力で定義されています。一方、無線機器の送信電力の制御は送信帯域幅のトータル電力の値で制御されることが多いと思います。この電力の定義の違いで次のような問題が起こります。

Wi-Fi6対応機器の場合、これまでのWi-Fi機器と同様に1チャンネル分の帯域幅すべてを使用して送信する方法に加え、OFDMAにより1チャネルの帯域幅の内の一部分のみ送信する場合があります。

下図は、無線機器の出力設定を100mWとして、20MHz全帯域で送信した場合と、2MHz分のみ送信した場合を示しています。共にトータル電力は100mWが出力されますが、1MHz当たりの電力は20MHz全帯域送信時では5mW/MHzに対して、2MHz分のみ送信時では50mW/MHzとなり、大きく異なった電力値として扱われます。

技適の空中線電力規格は最大10mW/MHzであるため、同じ100mW出力設定でも2MHz分のみ送信した場合には規格を満足できないことになります。

このような問題が起きないように、OFDMA動作時の送信電力についても1MHz当たりの電力を考慮して送信電力の調整および申請値を決定する必要があります。

 

 

以上のように、11ax(Wi-Fi6)対応Wi-Fi製品の技適には注意が必要となります。Wave Technologyでは、このような課題を事前評価から確認することで、必要な調整評価も行い認証機関の審査合格までを支援することができます。

その他、様々なご要望にも対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。

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