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半導体製品のESD/サージ対策

みなさん、こんにちは。第一技術部 光デバイス設計課長の小林です。
どうぞよろしくお願いします。

今回のブログは、半導体製品のESDやサージ対策についてご紹介したいと思います。半導体製品の故障原因の最も代表的なものとしてESDやサージによる半導体素子の劣化があげられます。まずは、ESDとサージについて簡単にご説明します。

ESDとは、人体と電子機器など静電気を帯電した物体同士が接触すると、放電が発生します。この現象を静電気放電「ESD:Electro-Static Discharge」と呼びます。人体から発生するESDは数千Vの高電圧であり、この高電圧パルスによって半導体素子の劣化が引き起こされます。

サージとは、電気回路のスイッチ開閉や電源のON/OFFなどで瞬間的に発生する過電圧のことです。また、充電したコンデンサを短絡させても瞬間的に過電圧が発生します。なお、落雷時に発生するものは、雷サージと呼ばれています。これらの過電圧によって半導体素子の劣化が引き起こされます。

ESDやサージを対策するには、コンデンサを取り付けたり、ツェナーダイオードや抵抗を挿入したりといった保護回路をつけます。

注意点としては、試験の条件や素子の耐電圧によって適宜最適なものを選択する保護回路設計が必要となります。単純な回路ですが、経験やノウハウがないとかなりの手間です。

そこで、今回ご紹介したいのが、“バリアブル・レジスタ ”通称バリスタ“です。

Variable Resistor(以下、バリスタ)は電圧により抵抗値が可変する半導体素子のことです。等価回路と特性は図1に示すとおりで単極性のツェナーダイオード2個とコンデンサ1個が並列接合されたものであり、制限電圧以下では機能せず、制限電圧以上のESDやサージが印可されると機能し、異常電圧から半導体素子を保護します。

 

図1 バリスタの等価回路と特性

 

 

図2 バリスタ接続図

 

図2に示すとおり、バリスタを保護したい回路に取り付けるだけで半導体素子をESDやサージから保護できるのでものすごく便利です。
バリスタの選定方法としては、湿度や温度条件を考慮し、半導体素子の耐電圧に適した制限電圧のバリスタを選択することぐらいです。

保護回路設計が不必要なのでものすごく便利なバリスタですが、連続電圧を印可し続けると故障しますし、低電圧では使用しにくいといったデメリットがあります。

弊社では、お客様のご要望に応じて、低電圧でも機能する保護回路や反応速度をあげる光学式のリレー回路を組み込んだ保護回路などの設計および製作も行っております。もしESD対策やサージ対策でお困りごとがあれば、お気軽にWTIまでお問合せください。

 

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