みなさん、こんにちは。第一技術部の赤谷です。
デジタル制御ボードで稀に動作が不安定になったり、通信データが欠落するなどの問題を経験されたことがある方は結構多いのではないでしょうか?
この“稀に”と言うのが非常に厄介で、不具合事象を再現するだけでも大抵は苦労します。また、その不具合事象を捉えて、原因を分析し正しい対策を施すには、それなりの経験を要するものです。
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この稀に起こる不具合が、クロックなどエッジを使う信号の波形品質に起因する場合がございます。今回のブログでは、エッジの乱れによって発生する不具合について簡単に紹介いたします。
フリップフロップなどの同期回路は、クロックのエッジ(立ち上がりなど)で入力データをラッチし、後段に出力します。
図1. フリップフロップ回路
図2のような入力信号の場合、入力信号のハイレベルは2つ目のクロックの立ち上がりでラッチし出力します。
図2 正しいタイミングチャート
しかし、クロックの立下り信号が図3のように乱れていると、不正なタイミングで信号が出力される場合があります。
図3 不具合発生時のタイミングチャート
これは立下りエッジである波形が乱れて、図3の拡大図のように立下りの途中で小さな立ち上がりエッジが現れ、フリップフロップがデータをラッチしてしまうことによって発生する不具合です。この波形の乱れがスレッショルド電圧付近で発生すると不具合を起こす可能性が高くなります。
このため、ハードウェア検証ではクロックなどエッジを使う信号の立ち上がりや立下りが乱れていないか十分確認する必要があります。
このような波形の乱れが発生する原因や対策、波形を観察する際の注意点などについては、また別の機会に紹介させていただきます。
弊社では、このような不具合を起こさないようにハードウェア設計の基礎をきっちりマスターしたエンジニアが電気設計受託サービスや基板レイアウト設計受託サービスを提供しております。
製品開発でお困りごとがございましたらお気軽にお声がけください。
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