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パワーコンディショナに求められる機能について(その2)

みなさんこんにちは。
2回目の登場となります電源設計課の清水です。

前回に続き、今回も太陽光発電に使われるパワーコンディショナ(パワコン)に求められる機能について紹介します。

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前回は蓄電池対応システムについて紹介しました(前回のブログはこちら)が、今回は、出力制御機能について紹介します。

 

<出力制御機能とは>

近年、九州電力をはじめ電力各社は電力を計画的に生産するために、再生可能エネルギーの出力制御の導入を進めており、当然パワコンにも出力制御機能の搭載が必須となってきています。

自然エネルギーを利用した太陽光発電において、何故、出力制御機能が必要か、皆さまご存じでしょうか???

電気は需要(消費)と供給(発電)が同時に行われており、刻々と変動する電力消費量に合わせて、供給する電力量を常に一致させ続ける必要があります。
電力会社では、あらかじめ予想される需要(電量消費)に応じて発電計画を決め、発電所の稼働や出力を調整して需要バランスを保っているのですが、近年太陽光発電の急激な増加に伴い、この需要と供給のバランスが崩れ、供給(発電)が上回る可能性が指摘されております。

電気の需要と供給のバランスが崩れると、使用する設備への悪影響を与えるほか、最悪の場合には、大規模停電が発生する恐れがあります。

電力会社は、需要に対して供給が多すぎる場合、出力の変更が比較的容易な火力発電等の発電量を抑えることにより、供給量を絞り込みますが、それでもなお電気の供給が需要に対して多くなりすぎることが見込まれる場合は、再生可能エネルギーの発電量を抑えることが必要になってきます。

そのために、パワコンにも出力制御機能が必要となる訳です。

 

<出力制御機能の仕組み>

出力制御を行うために必要となる機器構成は、各社メーカ毎に様々ですが、制御の流れはおおむね下記のようになります。

1.各電力会社が所有するサーバーに情報が登録される

気象情報や過去の電力需給の推移などをもとに、各電力会社が所有するサーバーに出力制御に必要な情報が登録されます。

 

 

2.通信装置が電力会社のサーバーにアクセスし情報を取得する

パワコン(パワコンを含むシステム)に付随する通信装置が定期的に電力会社のサーバーにアクセスし登録されている情報を取得します。

 

 

3.パワコンに情報が送られ制御を行う

通信装置からパワコンに出力制御の命令が送られ、パワコンはその命令に従い発電量を制御します。

 

 

<出力制御機能の評価>

前述の流れをふまえて、パワコンの出力制御機能の評価を実施します。

系統連系についての認証機関であるJETの試験規定には出力制御に関する試験項目が20項目以上ありこれらを評価するためには1~2週間の期間を要します。

また、電力会社側で試験用に用意されている模擬サーバーへのアクセス試験などでは、アクセス可能時間が深夜帯に設定されていることから、評価データの取りこぼしなどがあると次の日まで待つ必要が出てきたりします。

このため評価の実施には機能の十分な理解と経験、ノウハウが必要となってきます。

 

以上簡単ですが、出力制御機能についての紹介でした。

次回は、フリッカ対策のための無効電力抑制機能について紹介しようと思います。

パワコンの評価でお困りの方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

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