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電源評価の際の安全対策の話

みなさん、こんにちは。第二技術部 電源設計課 電源設計第一ユニットの島村です。

今回は電源評価を行う際の考慮すべき安全対策の一つをご紹介します。

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商用電源を入力とする電源は、整流したDC電圧を一旦コンデンサにチャージするのが一般的です。(通常Busコンデンサと呼ばれています。)特に力率改善回路(PFC:power factor correction)を内蔵している場合、Busコンデンサの電圧は400V程度まで昇圧され、後段の絶縁タイプのDC-DC変換回路でシステムに合った電圧に変換されるものが一般的です。(図1.参照ください。)

電源を使用する一般の人が触れる可能性のある入力部や出力部には、感電事故防止の観点から放電抵抗器が備わっていますので、たとえ内部に高電圧がチャージされていても、プラグを抜いたり本体スイッチをOFFしたりすると瞬時に放電され、安全は確保できています。

ですが、内部を直接触る場合、つまり電源の評価を行う場合、このBusコンデンサの高電圧は非常に危険であり注意が必要です。

 

図1.電源の構成ブロック例

 

図1の構成の場合、Bus電圧は400V前後あり、コンデンサ容量もトータル 数千μF程度の場合があります。

これに触れたときにビリっと感電して不快に思う程度で済めばよいのですが、コンデンサ容量が数千μFとなると、激しい痛みや火傷、感電部位によってはそれ以上の被害をもたらす場合があります。

そこで安全対策として、作業前にはBusコンデンサの検電を実施し、危険な電圧が残っている場合は、図2のような放電抵抗治具で放電させる必要があります。これは、コンデンサの両端を触り、チャージされた電荷を放電抵抗で熱に変えて放電する、いたってシンプルなものです。

 

図2.簡易的な放電治具

 

電源回路にはいたるところに大容量のコンデンサがあり、評価をする際にはしっかりと放電しなければなりません。チャージされている電圧や容量に応じ放電治具は必要となり、このような簡易的なものでも重宝しています。

また、人体への影響のない低電圧であっても、部品によっては最大定格電圧を超える場合があります。隣接するピン間をプローブでショートしてしまい、気づかない間に部品を壊していることも珍しくありません。

チャージされている可能性がある場所に触れる場合は、事前に検電と放電を行うようにしましょう。

また、人体に帯電した静電気により電源回路を破壊する場合もありますので、電源基板の放電と同じく、アースバンドなどを使用して静電気対策を行うことも忘れないようにしてください。

 

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