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UWB機器の技適代行サービス

みなさんこんにちは。システム設計課の尾崎です。

WTIでは日本国内における電波法の技術基準適合証明(いわゆる技適)および工事設計認証の代行サービスを行っておりますが、今回は最近問合せが増えてきたUWB(超広帯域無線システム Ultra Wide Band)の認証についてお話しします。

(当社の技適代行サービスはこちら

 

近年、測距・測位の技術にも採用できることから、UWBを用いた通信機器の開発が再注目されてきており、当社にもUWB機器の技適認証の問合せが増えてきています。

日本の電波法でUWB機器に割当てられている周波数帯は、屋内利用と屋外利用で次のように分けられています。

<屋内利用>

3.4~4.8 GHz
7.25~10.25 GHz

<屋外利用>

7.587~8.4 GHz

 

UWB通信は名前のとおり非常に広帯域な周波数を使用して通信するため、搬送波(キャリア信号)の平均電力の上限値が-41.3 dBm/MHzと非常に小さく抑える必要があります。それにともない、他の無線機器の妨害信号となる不要な電波(スプリアス)の強度の上限値も厳しく規定されています。周波数帯域によって上限値は異なりますが、一番厳しい周波数帯域では-90 dBm/MHz以下と規定されています。

みなさんがよく使用されるWiFiやBluetoothなどで規定されている規格では、一番厳しい周波数帯域のスプリアス上限値で-26 dBm/MHz(UWB通信の100万倍以上の電力)ですので、UWB通信機器の規格値は非常に厳しいことがわかります。

これらのことから、UWB機器のスプリアスは非常に小さいため、測定器(スペクトラムアナライザなど)のノイズフロアに埋もれてうまく測定できないことが多々あります。

 

ここで、ほとんどの認証機関で技適認証等の試験が実施される方法について少し説明します。

 

無線機器の認証試験にも関わらず、実際の認証試験ではアンテナ部を除いた高周波(RF)回路に同軸ケーブル等を接続して有線で試験されます。この有線での試験結果の電力に、別で測定または申請(提出)したアンテナ利得を机上で加算してEIRP(等価等方放射電力 Equivalent Isotropically Radiated Power)が規格値に収まるかを判定しています。

つまり、高周波(RF)回路の有線での試験結果には周波数特性は反映されるが、アンテナ利得の周波数特性は反映されずに最大利得のみを用いてEIRPを算出されてしまうのです。
(実際には、超広帯域なアンテナを採用しない限り、一般的な無線機器に使用するアンテナは、搬送波の周波数帯域で高いアンテナ利得を有しているが、帯域外は低いアンテナ利得である場合がほとんどなのですが)

 

アンテナ利得は、認証機関でも測定してもらうことは可能ですが、多くの場合はアンテナのデータシートまたは申込者の測定結果を事前に提出することで、その最大利得値を採用されます。

しかし、市販品やカスタム品のアンテナのデータシートには、アンテナメーカーが保証している周波数帯域のアンテナ利得や指向性しか記載されていません。そのため、UWB機器の認証試験で重要となる帯域外スプリアスの周波数帯域のアンテナ利得は不明となっています。

 

これらのことから何を伝えたいかというと、UWBの規格ではスプリアスの上限値が非常に厳しいため、実際には発生していないスプリアスとして測定機器のノイズフロアの電力に搬送波帯域の高いアンテナ利得が加算されて、認証試験が不合格となってしまう可能性があるということです。

 

当社では、UWB機器の技適認証のご依頼があった場合は、搬送波の帯域外を含めてアンテナ利得を測定することで意図しないスプリアスの規格割れによる認証不合格を回避するサービスを提供しております。

 

また、WTIでは技適代行サービスやアンテナ利得評価の他に、アンテナのカスタム設計からも対応しております。

 (当社のアンテナ設計・評価受託はこちら

 

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