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chemSHERPAのバージョン2.02で対応追加となるSCIPって何?

みなさん、こんにちは。
技術教育センターの原田です。

製品に含まれている環境負荷物質情報を伝達するchemSHERPAのバージョンアップが2020年10月に行われました。今回の2.02へのバージョンアップで、SCIPデータベース対応が追加されました。

え?SCIPデータベースって何?どんなことをするの?と疑問がいっぱいという方も多いと思いますので、少しお話ししようと思います。

 

SCIPデータベースとは?

SCIPはSubstances of Concern In articles as such or in complex objects (Products) の略で「スキップ」と読みます。

欧州化学物質庁(ECHA)は、EU領域を対象に0.1wt%を超えたREACH規制の高懸念物質(SVHC)を含有する成形品についての情報をデータベース化し、消費者や廃棄物処理業者が確認できる準備を進めていて、その情報のことをSCIPデータベースと言います。
その元となる情報は、EU域内の成形品供給者が提供することを課されることになります。

 

SCIPデータベース化の目的は?

昨年改定された廃棄物枠組み指令( Waste Framework Directive (WFD) )に、『製品のSVHC(成形品中で0.1wt%以上)をECHAに報告する義務が2021年の1月5日から発生する』との記載があり、これが基となっています。

何で“廃棄物枠組み指令(WFD)“でSVHC含有情報のデータベース化の話が出てきたのかというと、REACH規制のSVHC情報はサプライチェーンの中で伝達されるけど、廃棄物処理業者には情報伝達されず、リサイクルや廃棄の場面で有効に機能していないという現状があるためです。

そこで製品のどこにどんなSVHCが含まれているか等の情報データベースを作り、廃棄物処理業者に提供することで廃棄物を適切にかつ安全に処理できるようにしたいというのが目的となります。そして、もう一つ、消費者にもSCIPデータを提供することで、製品に含まれるSVHCの代替促進を狙っているようです。

 

SCIP対応で何をするの?

前述したように、ECHAのSCIPデータベースに情報を登録するのはEU域内の成形品供給者になりますので、基本的には日本の川中企業が直接登録することはないようです。

しかし、EU域内への成形品提供者は、製品を構成する部品のSVHCを把握しSCIPデータベースに登録するためにサプライヤにもSCIP情報の提供を求めることになります。

 

今回、アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)はSCIP対応を含めたchemSHERPAのバージョンアップを行っていますので、私達はchemSHERPAのフォーマットに沿って情報を伝達することになると思います。

お客様からSCIP情報の要請を受けた場合、今まで無かった情報の入力(製品分類やカテゴリーのコードなど)もあり、少し勉強が必要です。それでもSCIPデータベースとして必要な情報を一から理解して対応することを考えれば、廃棄物枠組み指令の全てを把握できていなくても、chemSHERPAのルールとフォーマットに沿うことで、情報を伝達できるというのは大変ありがたいことだと思います。

「chemSHERPAやIMDSやRoHSがわからない」「調査方法ってどうするかわからない」、「調査する時間も人手も足りない」等、お困り事がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。

 

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