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電源の制御方式とLED駆動

みなさんこんにちは、電源設計課の藤田です。

私は、電源の回路設計に従事しており、日々多種多様な電源を目にしています。
電源の制御方式にはいろいろなものがありますが、一般的によく目にするのは、下記2種類の電源が多いと思います。

① 常に電圧値が一定になるように制御している定電圧電源

② 常に電流値が一定になるように制御している定電流電源

今回は、上記②の定電流電源についてお話ししたいと思います。

一般的に、ICやオペアンプなど多くの回路は一定の電圧で動作するように設計されているため、定電圧電源を使用します。また負荷に電力を供給したい場合も、抵抗性の負荷の場合であれば定電圧で駆動すれば電流も一定になり、安定に電力が供給できます。

一方で、電流値で決まるLEDの輝度や二次電池の充電のように電圧と電流が比例しない負荷の場合は、定電流電源を使用することが有効になります。用途によっては定電圧電源を用い、直列抵抗を挿入して疑似的に定電流化することも可能ですが、抵抗での損失が大きいため、最近では専用の定電流電源が用いられています。

LED駆動を例にあげると、供給電流が小さいLED表示器では定電圧電源が使われています。
一方、供給電流が大きいLED照明では定電流電源が多く用いられています。

LED照明に定電流電源を用いた場合、以下のような利点があります。

  1. LEDの直列個数を変えても電流値が変わらない
  2. 高精度に電流を制御できるため大電流・高輝度のLEDを最大効率で点灯できる

続いて LEDにおける定電圧駆動と定電流駆動について簡単に説明をしたいと思います。

1.定電圧電源を使用したLEDの(疑似的)定電流駆動

定電圧電源と抵抗Rを用いて疑似的に定電流化しています。電流の精度と、抵抗での損失に注意が必要です。

 

図1.LEDの(擬似的)定電流駆動

 

2.LEDの定電流駆動

定電流電源で一定電流を供給します。出力電圧範囲であれば、LEDの直列数は可変できます。

 

図2.LEDの定電流駆動

 

LED照明は電流によって光量を制御できるので、広範囲な調光ができることが特徴です。LED照明の調光には、定電流のレベルで調光するアナログ調光と、パルス幅変調により調光するPWM調光という二つの方式が主に用いられています。

PWM調光では、LEDを高速なパルス電流で駆動し、パルス幅を変えることで光量の調節を行う方法ですが、パルスの周波数が十分高速でないとちらつきを感じることもあります。
PWM調光についての詳細な説明は、別の機会にさせていただければと思います。

 

簡単ですが、今回は定電流電源について紹介させていただきました。

WTIでは、定電流制御を用いた蓄電池充電器や、LED照明用電源など各種電源設計を行っておりますので、何かあればお気軽にご相談ください。

また、その他にも熱シミュレーションや機構設計、リバースエンジニアリングやカスタム計測など電気回路設計以外でも幅広い知識と経験を有しております。何かお困りのことがありましたらまずはお気軽にご相談下さい。

 

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