みなさんこんにちは。システム設計課の米谷です。
今回はオーディオ設計(高音質)についてお話ししたいと思います。
最近はHi-Fi(高忠実度、高再現性)という言葉を聞かなくなりましたね。
何となくWi-Fiが一般的になって紛らわしいから言わなくなったのかもしれませんが・・・
それとも今はHi-Fiよりもハイレゾが高音質の名称になったから?でしょうか。
さて高音質設計についてですが、良い音とはなにかと考えたことはありますか?
良い音の定義とは難しいですね。
聞こえない周波数まで再現させるレコードの方が、CDよりも良い、など結構好みが分かれると思います。
人の好みによらず良い音を表す指標として、一番わかりやすいものにS/Nがあります。S/Nとは信号対ノイズ成分の比を表します。
簡単に表現すると、無音の時に耳を澄ませば微かに聞こえてくるノイズの大きさを示していると考えてください。
最近では、デジタル化と小型化によってS/Nが問題になることが多いです。
安価な製品では、耳を澄まさなくてもデータ通信などのノイズが聞こえて気になることがあります。
この様なことが無いように高音質設計を行う必要があるのです。
図 1にS/Nのイメージ図を示します。
S/Nが高い場合は信号に対してノイズが小さいため、ノイズが気にならずクリアに聞こえますが、S/Nが低い場合は信号とノイズの大きさが近いため、ノイズが聞こえて気になってしまう訳です。
図 1 S/Nのイメージ図
つまり高音質設計には低ノイズ設計が必要ともいえるわけです。
低ノイズ設計の手法としては以下の二つの点に気を付けて設計する必要があります。
(1)ノイズ源からの分離
- デジタル回路、スイッチング電源回路、発振回路などから分離する。
- ノイズフィルタを追加する。
(2)ノイズの発生を抑える
- ノイズ源との共通インピーダンスは極力減らすパターン設計
- 抵抗成分を抑えたパターン設計
図 2に低ノイズ設計の例として、ノイズ源からの分離イメージを示します。
デジタル回路からの信号にはノイズ成分が含まれており、このノイズがアナログ回路へ影響を及ぼすとS/N比が悪化してしまいます。そのため、信号線や電源にフィルタを追加するなどの方法でノイズ成分の影響を排除します。
図 2 ノイズ源からの分離イメージ
他にも、気を付ける設計ポイントは色々あります。
デジタル化とIC化で簡単に音が鳴る回路は作れるようになりましたが、真の音作りには経験とノイズ対策が必要ということです。(こだわりも?)
今回は高音質(低ノイズ)設計を行うための注意点を簡単に紹介させていただきました。
WTIではこのようなオーディオ回路の設計、評価も行っております。
その他、デジタル、アナログ、高周波、電源設計、パターン設計などシステム全体の開発が可能な設計者がおりますので、お困りごと、ご相談ごとなどあればお問い合わせください。
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