みなさん、こんにちは。
株式会社 Wave Technology 第一技術部の大塚です。
最近、お問い合わせがありました、IoT機器向けLPWA(Low Power Wide Area)方式の通信規格である、『 LTE-M 』と『 NB-IoT 』の違いについてお話ししたいと思います。
■ LTE-MとNB-IoT
LTE-M(「M」は「Machine」を意味する)は、LTEの一部周波数帯域のみを利用する通信規格です。通信時に使用する周波数帯域を標準的なLTEの20MHz幅から狭めて使用します。通信速度は、通信事業者で異なりますが、下り/上りともに最大1Mbps以下となります。
一方、NB-IoTとは、Narrow Band IoTの略称です。Cat.NB1(カテゴリNB1)として規定された通信規格では、帯域幅が狭い180kHz幅を利用しています。通信速度は、下り最大27kbps/上り最大63kbpsの低速通信の規格です。
■ どちらも携帯電話のネットワークを利用する...
LTE-M とNB-IoT は、どちらも携帯電話のネットワークを利用するIoT向け通信サービスで,使用する周波数帯域は同じです。
厳密に言えば、NB-IoTはLTE-Mでは使用できないガードバンド(干渉を防ぐために設けられた周波数帯)も使用可能ですので、周波数帯域は同じですが、周波数は同一ではありません。
しかし、周波数帯域が同じですので、LTE-M とNB-IoTどちらにも対応している通信モジュールもあります。
■ 使用する上での違いは..
NB-IoTは、通信速度が遅いためFOTA(Firmware Over The Air:無線通信によるファームウェア更新)は、実質使用できません。また、NB-IoTは、固定されて使用することを想定しており、モビリティには対応していません。したがって、複数の基地局を跨いで通信することはできません。
LTE-MとNB-IoTを比較したものを表1に示します。
表1 LTE-MとNB-IoTの比較
表1に示すようにLTE-M とNB-IoTの使用する上での違いは、モビリティ、FOTA、通信速度などです。通信速度の遅いNB-IoT は、LTE-Mよりさらに少量のデータ通信を低頻度で送信できるので、より低消費電力を求められるIoTソリューションに活用できます。(具体的には、水道などのスマートメーターの遠隔検針、防犯機器などの警報通知、河川氾濫や地すべりなどの災害時における異常検知です)。
当社は、LTE-M とNB-IoTの両通信規格での無線機器開発の実績がございます。
両通信規格を含む通信機器設計の開発でお困りごとがあれば、ぜひ、Wave Technologyをご活用ください。
その他、様々なご要望にも対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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