みなさんはじめまして。
入社一年目、第一技術部 システム設計課の升野です。
よろしくお願いいたします。
私は入社以来、主に評価業務を担当してきました。今回は、評価業務の中でもEMI試験についてお話させていただきます。
まず、EMI試験とは何かをご説明します。
電気機器から放出される不要な電気的ノイズをエミッションと言います。電気機器から放出されたノイズは空間や電線を伝搬して、他の機器の動作に影響を与えることがあります。このことを電磁障害(EMI:Electro Magnetic Interference)と呼びます。この電磁障害の発生を防ぐため、エミッションの限度値が定められています。EMI試験とは、このノイズを測定する試験のことです。
では、私がこれまで担当した、EMI試験の中でも「放射EMI試験」と「伝導EMI試験(電源ポート)」という2種類の試験について、概要を説明させていただきます。
「放射EMI試験」
- 空間に放出されるノイズを測定する試験で、機器から数~数十m離れた位置にアンテナを設置し、ノイズの強度を測定します。
図 1 放射EMI試験測定イメージ
「伝導EMI試験(電源ポート)」
- 電源端子から放出されるノイズを測定する試験で、LISN(疑似電源回路網)を使用して、電源線を伝わるノイズの強度を測定します。
図 2 伝導EMI試験(電源ポート)測定イメージ
次にEMI試験の規格についてお話させていただきます。
EMI試験の規格には、下表のように製品を使用する国や地域によって異なる規格が存在します。
表 1 主なEMI規格
さらに、各国の規格は製品の種類別に細分されており、医療機器や照明器具などの幅広い製品に対応しています。そのため、EMI試験を実施する際には、規格の内容だけでなく、製品の機能や使用する環境について理解する必要もあるのです。
以上、EMI試験についてご紹介させていただきました。
WTIでは、お客様のノイズに関する課題を解決するために、EMI試験に必要な設備を保有しており、それらを活用した「EMI対策検討受諾サービス」をご提供しています。
また、「電波暗室レンタルサービス」もご提供しており、お客様自身でも当社の設備をご利用いただけます。「電波暗室レンタルサービス」では、今回ご紹介させていただいたEMI試験に加え、ノイズの発生源の特定に役立つ「電磁波可視化システム」もご利用いただけます。
さらには、EMCの基礎が学べるEMC講座も開催しております(近日中にオンデマンドのEMC講座メニューもリリース予定です)。
ノイズ対策についてお困りの場合は、是非お問い合わせください。
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