みなさん、こんにちは。電源設計課の三嘴(みつはし)です。
今回は、次世代高速通信規格(5G)についてお話をしたいと思います。
2020年、今年の初めにとても注目されていた5Gのサービスについて、提供は開始されましたが、一方で、まだ使用できるエリアは限定的となっています。
通信大手キャリアの計画では、4G/LTEと同等のエリア範囲の水準になるのは、2023年まで掛かる見通しと発表されています。
皆さんの期待の大きさに比べ時間がかかる見通しだと感じられますが、カバーエリアの拡大に向けては、単純に5G用の基地局の設置による手間だけではなく、4G/LTEよりも基地局数を多く設置しなければならない、といったことが要因に挙げられるかと思います。これは、使用している周波数が高くなることで到達距離が短くなり、指向性も増すため、基地局一つでカバーできる範囲が狭くなるためです。
また、5Gでは利用分野の拡大や物対物など多様な用途に対する端末数の増加、車両間の通信や遠隔ロボット制御などの通信に対する高い信頼性の要求などもあり、膨大なデータ通信を常に安定して維持する事が求められていることからも、5G基地局を多く設置しなければならない要因となっています。
このような流れの中で、街中の限られたスペースやメンテナンスが厳しい場所へ5G基地局が設置される状況を考慮すると、小型化(高密度実装化)、FANレス等によるメンテナンスフリー化や長寿命化、データ通信の増加による電力増加に対する高効率化などが求められると推定されます。
ここで、基地局用の電源に要求される仕様について考えた場合、下記のような課題が発生することが予想されます。
- 小型化(高密度化):機器の内部温度の上昇やノイズの増加による誤動作対策
- メンテナンスフリー化・長寿命化:電解コンデンサレスやFANレスなどの代替手段の確保
- 電源回路の高効率化:安定で高効率の電力変換回路の実現
これらの対策は他の要素とのトレードオフとなる場合などもあり、簡単ではありませんが、電源設計のプロに任せていただくと、なんらかの解決策を提案できると思います。
WTIではお客様がまさに今抱えておられる課題に対してお役に立ちたいと考えております。
電源回路の設計や評価の委託検討・お困りごとの相談などございましたら、お気軽にWTIにお問合せください。
【関連リンク】
電源関連ブログ:
- スイッチング電源の評価・試験項目について
- パワコンの評価 ~JET認証・変換効率確認・定格試験・雷サージなどなど、種々の試験があります~
- スイッチング電源回路方式の特徴
- 電源回路の安定動作のための位相補償
- カスタム電源設計とは?
- スイッチング電源の設計にはノウハウが必要!
- 電源に思ふ(スイッチング電源・リニア電源・デジタル電源)
- SiCデバイスを使って電源を高効率化してみました
- 電源にもデジタルの波が
- 電源機器の寿命検証
- DC-DCコンバータ設計 電源設計時の着眼点
- WTIのワイヤレス給電サービスが「関西ものづくり新撰2018」に選定されました!
- ワイヤレス給電 設計サービス リリース間近!
- 電気自動車の家での活用法
- 自動車の電動化を支える機器の開発
- 太陽光発電システムの縁の下の力持ち ~パワコンとは~
- 技術者は原理原則の理解が大事なんです!
- 回路図には登場しないインダクタンスに注意
- いまさらなんですが、SiCって何がいいのでしょうか?
- EMC対策セミナーに技術者からの熱い眼差し|テクノシェルパ
WTIメールマガジンの配信(無料)
WTIエンジニアが携わる技術内容や日々の業務に関わる情報などを毎週お届けしているブログ記事は、メールマガジンでも購読できます。ブログのサンプル記事はこちら
WTIメールマガジンの登録・メールアドレス変更・配信停止はこちら
WTIの技術、設備、設計/開発会社の使い方、採用関連など、幅広い内容を動画で解説しています。