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パワーコンディショナに求められる機能について(その1)

みなさんこんにちは。電源設計課の清水です。

私は現在、パワーコンディショナ(パワコン)の開発業務をしています。パワーコンディショナとは、太陽光発電などの再生可能エネルギーを商用交流に変換するインバータ装置のことです。

私がこの仕事に携わるようになって、早いもので7年が過ぎました。
ここ数年、パワコンに求められる機能は多様化してきています。
これらの機能について、数回に分けて紹介していきたいと思います。

 

<蓄電池対応システム>

初回は蓄電池対応システムについて紹介します。

昨今の大規模な自然災害発生を背景に、万が一の停電への備えとしてパワコンの蓄電池システムへの対応が求められています。

最近では蓄電池や電気自動車による電力のシェアリングの話なども注目されており、電力の橋渡しの役目を担うパワコンがシステムの鍵となります。

私もここ数年は蓄電池システム対応パワコンの開発に関わっており、パワコン単体の評価に加えて、蓄電池システムとしての評価も行っています。

蓄電池システムの評価では、評価時に『逆変換(DC→AC)』なのか『順変換(AC→DC)』なのかを考慮する必要が出てきます。また、電力会社との契約内容に合わせて、『逆潮流(売電)』なのか『順潮流(買電)』なのかも考慮する必要があります。
各組み合わせで評価は実施しますが、組み合わせによって評価条件、判定基準も変わってきます。

太陽光発電を例に取り、ある1日のシステム動作の組み合わせを考えると次のようになります。

a) 夜間

電気代の安い夜間に、電力会社(系統)から電力を買って蓄電池に充電します。
家庭内負荷への供給も系統から行います。この時パワコンの動作は『順変換』の『順潮流』となります。

 

 

b) 朝方(夕方)

太陽電池で発電をしますが、家庭内負荷をまかないきるには不足しているので、その分を蓄電池から放電して補います。この時パワコンの動作は『逆変換』となり、『潮流』は順/逆ともに発生しません。

 

 

c) 日中

太陽電池での発電が十分に行えるので、余った電力を系統に売ります。
パワコンの動作は『逆変換』の『逆潮流』となります。

 

 

 

製品ごとの動作モードの設定により、どのような条件で蓄電池が充電/放電するのか、系統から買って(売って)も動作するのか、など動作パターンは多岐にわたります。
私も最初は、「順変換の順潮流?」、「逆変換の逆潮流?」という状態でした。

今でも一瞬迷うことがあり、その都度、電力の流れを図に描くなどして整理し、実際のシステムの動きを何度も確認してから評価を行っています。

 

 

以上簡単ですが、蓄電池システムについての紹介でした。
次回は、電力を計画的に生産する出力制御について紹介しようと思います。

このブログを読んでくださった方の中に、パワコンの評価でお困りの方がおられましたら、お気軽にお問い合わせください。

 

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