Wave Technology(WTI) | 半導体周辺回路とその応用製品の開発・設計会社

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パワコンの評価 ~JET認証・変換効率確認・定格試験・雷サージなどなど、種々の試験があります~

みなさん、はじめまして。
電源設計課の坂東です。

現在、私は、『パワーコンディショナの開発』に携わっております。パワーコンディショナとは、太陽光発電などの再生可能エネルギー(自然エネルギー)を、みなさんが家庭で使っている商用の交流に変換するためのインバータ装置のことです。パワーコンデショナを略してパワコンとも呼ばれています。

太陽光発電と言えば、十数年以上も前から再生可能エネルギーとして注目を浴び、現在では、家庭の屋根や近所の空き地などに、あちらこちらで太陽光パネルを見るくらい、身近なものになっています。そして必ずパワコンも使われています。

また、最近では電気自動車EVの蓄電電力を家庭電力として使ったり逆に家庭から充電したりするV2H(Vehicle to Home)システムも普及しつつあり、ここにもパワコンは使われています。

さて、そんなパワコンですが、どのような『評価』が実施されているか、ご存知ですか?
今回は、そのパワコンの評価について話をさせていただきたいと思います。

 

パワコン評価の内容

パワコンの評価には、一般的に下記内容があります。

 

1.開発品の認証試験評価

電気製品の安全性を保証するためには第三者機関の認証が必要になります。
もちろんパワコンも電気製品ですので認証取得の対象となります。

パワコンの認証ですと、主にJET認証(※)が対象になりますが、認証試験は多岐にわたり、パワコンの制御や保護動作の確認、EMC試験、耐環境試験などがあります。認証を取得するために事前評価を行い、製品の安全性確認や問題点の洗い出しを行います。

※財団法人電気安全環境研究所(JET)が定める安全性基準への適合認証

 

2.製品の性能評価

製品が設計どおりの性能や機能を有しているかの確認評価を行います。

具体例として、パワコンのDC/AC変換効率の確認や部品寿命の検証、パワコン内のすべての部品定格確認などが挙げられます。

 

3.製品のシステム試験

実際に製品を使用する環境で問題点がないか確認する試験です。

製品を操作したときに異常な動きをしないか、操作できなくなることはないかなどのバグ出しを行います。この試験はユーザーの観点で試験することが重要です。パワコンは高電圧を扱う製品であるため、ユーザーがどのような操作をしても危険な動作をしないように設計しておく必要があります。

 

ここまでは評価の概要を紹介しましたが、一つ実例を挙げてご紹介させていただきます。

<雷サージ試験について>

屋外発電の代表格である太陽光発電を例にとると、故障原因に多いのが、“雷”での故障です。
最近では、地球温暖化の影響から、天候の変動/変化が激しく、その中でも雷はよく発生しています。

この雷が、太陽光発電設備にとって最も厄介な自然現象であり、落雷により電線を伝ってパワコンに流れこみ、ダメージを負って故障するという事象が実際に多く発生しております。
(図1はその発生メカニズムです。)

そのため、落雷で簡単には壊れないようにする必要があり、かつ安全性を確保する上でも、外来サージに対する耐久性を要求されます。

実際の雷サージ試験では、パワコンのPV入力側、系統側の各々に、雷に相当する電圧を印加し、耐久性を確認します。試験条件は、数kVの電圧を、複数回印加して、故障の判定を行います。

 

図1.パワコンに印加される雷サージの流れ

 

雷サージ対策としては、PV入力側および系統側の直近に雷対策部品(バリスタやアレスタ)を配置し、雷サージがパワコン内部に侵入するのを、アースラインに回避させる方法が一般的になります。

また、サージ対策部品を入れたからといって、必ずしも十分な耐久性を確保できる訳ではありません。
雷対策部品の配置や基板上のパターン、または使用部品の組み合わせにより、狙った効果が得られずに苦労することが多々あります。

そのため、雷サージ対策というのは非常に難しく、経験値も大きく左右するものです。

 

WTIには、パワコンの各種評価やJET認証などの経験豊富な技術者が多数おりますので、雷サージ対策のみならずお困りの点などございましたらお気軽にご相談下さい。

 

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