みなさん、はじめまして。WTI 電源設計課の今井です。
電源設計課ではスイッチング電源を中心に電源回路の設計、評価などを行っています。その中で、今回は電源回路と関係の深いフィードバック制御についてお話ししたいと思います。
(WTIの電源設計サービスはこちらをご参照ください)
みなさんはフィードバック制御という言葉を聞いたことがありますか?
フィードバック(feedback)とは「戻す、帰還させる」という意味で、出力を入力側に戻して制御することで出力を目標通りに操作する制御のことを言います。電源回路の制御でも出力電圧を目標通りに保つという重要な役割を果たしています。
フィードバック制御の他にフィードフォワード制御やオープンループ制御などがあり、組み合わせて使用することもあります。
フィードバック制御について解説するために、まずはフィードバックを掛けない制御の例としてオープンループ制御からご説明いたします。
オープンループ制御とは、フィードバックを行う帰還ループが"開いている"、つまりフィードバックを行わない制御のことです。例えば、1V出て欲しい時に1という指令を入力すると1Vが出力される回路があるとします。この場合、オープンループ制御で出力を任意の電圧に制御することができます。
しかし、1という指令を入力すると1Vを出力するもの、0.9Vを出力するもの、1.1Vを出力するものというように±10%特性がバラついたものが混ざっている場合にはオープンループ制御では±10%の誤差が発生します。このような場合に(例えば、比例ゲインを100として)フィードバック制御を適用すると出力は0.99±0.1%となり、誤差を小さく抑えることができます。
今回は(比例制御という)フィードバック制御を用いて特性のバラつきがある回路の出力バラつきを小さくすることについてお話ししました。出力が0.99になってしまったので本来欲しい1に対して0.01小さい値となりましたが、この差を小さくする方法はまたの機会にお話ししたいと思います。
電源回路は外部に様々な負荷がつながったり、入力電圧が大きく変動したりすると特性が大きく変化するため、フィードバック制御がとても重要になってきます。フィードバック制御を使いこなすには電源回路や制御理論について十分に理解している必要があります。
WTIには電源回路や制御理論に長けたエンジニアが多数在籍しております。
もし、電源回路の設計や評価などでお困りのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
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