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絶縁とノイズ対策

みなさんこんにちは。第一技術部の赤谷です。

電気回路では、感電などの安全上の理由や予期せぬ電流破壊を避けるため、回路を絶縁する場合があります。

私たちがよく取り扱うものとしては、LANなどの通信インターフェースや絶縁電源などがあります。絶縁部の信号や電力の伝搬にはフォトカプラやトランスを用いることが一般的です。

 

 

このような絶縁回路ですが、ノイズ対策には注意が必要です。何のケアもしない場合、問題になることが多々あります。

その理由について説明します。

デジタル回路の動作クロックや電源のスイッチングに起因する高調波ノイズを抑制するにはできるだけ安定したグランドが必要です。しかし、絶縁によって導体を分離するということは、これとは逆の処置となりノイズ面では不利になります。

そこで絶縁の要件についてあらためて整理してみると以下のようになります。

✓ 導体を分離する。
✓ 直流電圧をかけても電流が流れない。

よって、これらの絶縁要件を満足する範囲であればノイズ対策を行うことができるのです。

ポイントは交流です。

デジタル系であればMHzオーダーのノイズが問題となることが大半です。よって、この周波数で絶縁要件を満たしつつグランドを安定化させる(インピーダンスを下げる)ことが大切です。

その手法としては色々ありますが、ここでは一例を紹介します。

下図で導体A、導体Bがそれぞれグランド電位であったとすると、それぞれの導体をコンデンサで接続することで、絶縁要件を満たしつつ高周波的には一つのグランドプレーンとみなすことができます。つまり、直流的には分離されているが、交流的に接続するということです。

 

 

これにより絶縁の要件を満たしつつ、高周波的には安定したグランドプレーンが得られMHzオーダーのノイズ抑制効果が期待できます。

絶縁回路におけるグランドの安定化には他の手法もありますが、それはまた別の機会にご紹介します。

絶縁回路に限らずノイズ対策は、電気回路や基板の特性および電磁気学など幅広い知識が必要で、製品開発の現場では、ベテランのエンジニアが対応している技術難度の高い作業です。それゆえ、製品開発に対するインパクトが大きく、苦労されるお客様も非常に多いです。

WTIはこのようなお客様をサポートさせていただくため「EMC対策コンサルサービス」を提供しております。ノイズ対策でお困りの際は是非お声がけください。

 

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