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その包装材は輸送に適していますか? 半導体製品の包装材評価の肝

皆さんこんにちは。
東京事業所パッケージ設計課の佐々谷です。

半導体製品を梱包する包装材は、輸送中に受ける振動・衝撃・圧縮圧力に対し、適切に保護することが可能な包装設計と性能試験での確認が必要です。今回は、包装材が適切な設計になっているかを評価する手法について紹介します。

1.輸送過程の検討

最初に輸送中の振動の想定レベル(表1)を決め、レベルに応じたランダム振動試験(表2)を行います。

(1)梱包材が受ける輸送中の振動

表1 輸送中の振動の想定レベル

(想定レベル: レベル1>レベル2>レベル3)

 

表2 ランダム振動試験条件

 

(2)輸送/積替えによる落下衝撃

輸送過程で、トラック、船舶、貨車への積替え、又は輸送業者をまたぐ場合の積替えの影響を想定します。
想定したレベルと包装総質量から自由落下試験の落下高さが決まります。(表3)

レベルⅠ:転送積替え回数が多く、非常に大きな外力が加わる恐れがある場合。
レベルⅡ:転送積替え回数が多く、比較的大きな外力が加わる恐れがある場合。
レベルⅢ:転送積替え回数及び加わる外力の大きさが、通常想定される程度の場合。
レベルⅣ:転送積替え回数が少なく、大きな外力が加わる恐れがない場合。

 

表3 落下高さ(自由落下試験)

(想定レベル:レベルⅠ>レベルⅡ>レベルⅢ>レベルⅣ)

 

2.梱包箱の強度評価

定量的な強度評価を行うため、JIS Z0212:1998(包装貨物及び容器-圧縮試験方法)に基づき評価試験の条件を決定します。

圧縮試験は、平行な板で箱を挟み等速で箱に圧力を加えます。圧力を加えられた箱は、その強度を超えるまで潰れませんが、限界を超えると強度が無くなり潰れ始めます。圧縮試験は箱のつぶれ方が均等または不均等になる様子が観察できるため、潰れ始めや最大荷重の結果から、設計した箱が狙い通りの強度(=耐荷重)を持っているか判断できます。

製品の生産工場が複数有る場合、調達できる包装箱の材料・仕様が異なるケースが有ります。包装箱を共通化している場合、メーカごとに異なる材料・仕様の管理は大変です。箱材料・仕様は、地域・国によっても規格が変わるため、圧縮試験での強度比較は有効な評価手法になります。

 

 

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