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『半導体パッケージの評価・解析』やっています

みなさん、はじめまして。東京事業所パッケージ設計課の後藤です。

今回のブログでは、半導体パッケージで使用されている金ワイヤ、銅ワイヤの比較と、関連する評価・解析についてお話させていただきます。

 

 

 

ワイヤは、半導体パッケージ内部でICチップと外部端子(リードフレーム、はんだボール)を電気接合するために使用されています。主な半導体パッケージタイプ別の構成図を図1、図2に示します。

 

 

近年、貴金属の高騰などの点から、図1,2の半導体パッケージにおいて、多く取り扱われてきている低コストの銅ワイヤについて、金ワイヤと比較し紹介いたします。

銅ワイヤの一般的な長所・短所は以下があげられます。銅ワイヤは金ワイヤと比較して材料のコストメリットは大きいのですが、下記に示す短所が課題です。

<長所>

  • 材料コストが安い
  • 熱伝導率が高い
  • 電気伝導率が高い
  • 弾性率が高く樹脂封入時にワイヤが変形しにくい
  • ICチップのアルミパッドとの金属間化合物の成長が遅く高温耐性に優れる

<短所>

  • 酸化しやすく接合強度へ影響が発生しやすい
  • イオン化傾向が高く腐食しやすい
  • 材質が硬いためICチップへのワイヤボンディング時にパッドクラックが発生しやすい

一般的なワイヤに関する評価・解析項目を表1に示します。銅ワイヤを適用している半導体パッケージの評価・解析では前述の課題にまず着目して確認します。銅ワイヤを適用している半導体パッケージの評価・解析のポイントとして、樹脂開封では樹脂を薬品で溶かすためワイヤの腐食に注意し、開封後酸化による影響をなくすため素早く評価・解析を進める必要があります。

 

表1. ワイヤに関する評価・解析項目

評価・解析項目 目的
ワイヤとICチップアルミパッドの接合状態観察
  • ワイヤボンディング組立条件の確認
  • 接合面の確認
  • 腐食、酸化による影響の確認
ワイヤとICチップ~リードフレーム・基板との接合形状の外観観察
  • ワイヤボンディング組立条件の確認
  • 接合部の断面形状確認
  • ワイヤボンディングによるパッドクラック有無の確認
ワイヤとICチップアルミパッド部での接合強度測定
  • ワイヤ接合部の強度確認
  • 腐食による材質強度への影響確認
ワイヤループ形状の外観観察
  • ワイヤボンディング組立条件の確認
  • モールド樹脂封止時のワイヤ変形確認

 

ワイヤは1本でも問題あれば製品品質へ影響がでますので確認が必要です。半導体パッケージは色々な材料で構成されており、他の材料についても各材料間での接合状態、外観について評価・解析を実施しています。

今後も様々な半導体パッケージについて関連した内容を紹介していきます。

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