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実は関係が深い?基板構造と部品パッケージ

みなさん こんにちは!第一技術部 基板設計課の稲岡です。

本ブログ2回目の登場となります。今回は基板の構造について、お話ししたいと思います。

 

まずは表1に、基板構造別の分類を示します。

 

表1 基板構造による分類

片面基板

片面のみに配線が施された基板。
穴にはメッキはされていない。最も安価。

両面基板

両面に配線が施された基板。
立体交差な配線が可能。一般的に使用される。

多層基板

基板内部にも配線が施された基板。電子部品の実装面積を広くとることが可能。一般的に使用される。

IVH基板

穴を貫通させずに必要な層間のみを接続する基板。
貫通穴が少なく実装面積を広くとることが可能。

ビルドアップ基板

IVH基板と構造が似ているが、ドリル加工ではなく、レーザーにて加工する。部品ランド上にも微小な穴が形成可能。高価。

フレキシブル基板

ポリイミドなどを用い柔軟性を持たせた基板。
折り曲げる必要がある箇所や、可動部の接続に使用される。

基材 

銅箔 

スルーホール 

ソルダーレジスト

 

 

 

(1)導体材料とソルダーレジスト

プリント基板の構造は、絶縁体材料と導体材料で構成されています(絶縁体材料は前回のブログ『知ってます?基板の種類と用途』をご覧ください)。

導体材料は、銅箔を使用し1オンスである35μmが標準です。銅箔厚によって、配線のライン&スペースや配線に流すことのできる電流量が異なります。

例えば、配線をできるだけ細くしたい場合は9μmの薄い銅箔を使用し、電源基板など大電流が必要な場合は70μmの厚い銅箔を採用するなど、設計仕様を満足するよう銅箔厚を検討します。

また、一般的に基板表面にはソルダーレジストが塗布されており、部品の実装時にハンダが不必要な部分へ付着してショートするのを防止する役割があります。
同時に、保護膜として、ほこり・熱・湿気など外部からのストレスから配線パターンを守る役割も果たします。

 

(2)基板の構造検討は最初が肝心

これら基板構造の選択基準として、一般的にコストを優先されることが多く、両面基板、又は4層の多層基板が主流ですが、搭載部品や配線密度により最適な構造検討が必要となります。

特に小型機器やコスト優先の基板では、以下のような問題が発生しやすいので注意が必要です。

「小型機器なので、できるだけ小さい部品を使おう!」
「コストも抑えたいので、基板は4層貫通基板を採用しよう!」

と、あまり基板の構造を考えずにプロジェクトのコストやスケジュールを策定し、部品選定をして回路設計も終わった後に、基板設計を開始したとします。

例えば、図1のような狭ピッチのBGAを選定したために、4層貫通基板では設計できないということが、その時点で初めて判明します。
そうなると基板構造やサイズの変更を余儀なくされ、コスト/スケジュールの見直しが必要になり、最悪の事態に陥ってしまいます。

 

図1 BGA配線

近年の製品の小型化に伴い上記のようにBGAなど部品自体が小さくなっており、ビルドアップ基板の構造でないと基板設計が成り立たない部品もあります。

また、部品データシートの中には、ごく一部の基板メーカでしか製造ができない仕様や、品質面で協議が必要な仕様で記載している場合もありますので、見積りやプロジェクト策定、回路設計の際に、採用する部品と基板構造についても十分な検討が必要です。

 

(3)フレキシブル基板について

フレキシブル基板は、他のリジット基板とは異なる特徴を持っており、『柔らかさ』と『薄さ』を活かして曲げることができます。

以前は、電子機器の隙間や携帯電話のヒンジ等、繰り返して屈曲する可動部に使用されることがほとんどでしたが、最近では、フレキシブル基板にも部品実装が可能になったため、ウェアラブル端末などの小型IoT機器に使用されることが増加しています。
また、金型製作無しで製造対応できるメーカもあり、イニシャル費は以前より安く製造ができます。このことも使用する機会が多くなった要因になっているようです。

フレキシブル基板の設計では、屈曲部にはスルーホールの配置を避けたり、曲げる部分に対して、垂直に配線したり、鋭角な配線を避けるなど、設計段階で注意すべきポイントがあります。

 

弊社は基板構造を含む初期検討からの基板設計の対応も可能です。お困りの際は、是非、お声がけください。

 

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