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知ってます?基材の種類と用途

みなさん はじめまして。第一技術部 基板設計課の稲岡です。

5/14の木戸さんのWTIブログ『特性インピーダンスと基板設計』にて、基板の種類や製造工法(サブトラクティブ法、セミアディティブ法など)などで、配線幅や層間の設計値と仕上がり値が異なることのお話しをしました。(当社の基板レイアウト設計受託サービスはコチラ
今回は基板にはどんな種類があるのかをお話しします。

プリント基板は、主に次の3つに分類されます。

  • リジッド基板:柔軟性のない絶縁体基材を用いたもの(『固い』を表す:Rigidから)
  • フレキシブル基板(FPC):絶縁基材に薄く柔軟性のある基材を用いたもの
  • リジッドフレキシブル基板:硬質な材料と薄く柔軟性のある材料とを複合したもの

フレキシブル基板は薄くて柔軟性があることから、折り曲げなど変形させることが可能で、携帯機器や複雑な構造に使用する場合が多いです。コストはリジッド基板と比較すると高価になります。

さて、一般的にプリント基板というと、リジッド基板を指していることがほとんどで、今回はリジッド基板の種類について紹介します。(表1参照)

リジッド基板の用語にFR-1、FR-4、CEM-3などありますが、これらの用語はプリント基板の種類を表しており、プリント基板に使用する基材と樹脂によって決まります。また、構造によっても、様々な特長がありますが、それは別の機会で紹介します。

表1. リジッド基板の分類

基板の種類

特徴

用途

紙フェノール基板
(FR-1)
紙にフェノール樹脂を含浸させた基材。ベーク基板とも呼ばれ,安価。耐久性が低く反りが生じやすく難燃性も一番低い。主に片面基板に用いられる。 白物家電
リモコン
ガラスコンポジット基板(CEM-3) ガラス布とガラス不織布を混ぜ合わせた基材にエポキシ樹脂を含浸させた基材。ガラスエポキシ基板と同等の電気特性を有すが、機械的特性、寸法安定性は劣る。両面基板に多く使用される。 家電製品
AV機器
ガラスエポキシ基板(FR-4) ガラス繊維製の布を重ねたものに、エポキシ樹脂を含浸した基材。電気的特性、機械的特性ともに優れている。最も一般的に使用され両面基板以上の多層基板に利用される。

民生用

電子機器

ガラスエポキシ基板、高耐熱性(FR-5)

 

FR-4より高い耐熱性。車載用途など、高い耐熱性を必要とする基板に使用される。 車載用途
テフロン基板
(フッ素樹脂基板)
テフロン樹脂を絶縁材に用いた基板。
比誘電率や誘電正接が低く、高周波特性に優れた材料。
アンテナ
衛星通信

 

弊社では民生/産業に関わらず、FR-4を採用した設計/試作の事例が多いです。ちなみに、以前は民生機器と言えば、FR-1やCEM-3が主流でしたが、近年は高機能化、部品の小型化、高密度化などにより、FR-4を使用している場合も多いようです。

また、近年、注目が集まっている次世代移動体通信システムの5G用の基板や自動運転などに用いられるミリ波レーダー用の基板などは、伝送損失の影響が大きいため、伝送損失の小さいフッ素樹脂基板への関心が高まっています。高周波信号を扱う基板は、製品用途やコストに合わせ基板メーカーも交えて最適な仕様を選定することが重要です。

現在、各基板メーカーはこの分野の開発・製造に力を入れているようで、6月のJPCAショーでも数々の展示がありました。

WTIでは様々な種類の基板設計や試作サービスを行っております。是非お声がけください。

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