Wave Technology(WTI) | 半導体周辺回路とその応用製品の開発・設計会社

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高周波とは ~整合のイメージ~

みなさま、本当にお久しぶりです。

前回の登場から、1年3ヶ月が経過してしまいました。4度目の登場となります(株) Wave Technology 高周波デバイス設計課(旧称:高周波設計第一課) の橘高です。

さて、これまでのブログでは理解しにくい高周波というものを、なるべく分かり易く説明するというコンセプトで書いてきましたが、次は何を書きましょうか。ちょっと過去のブログである『インピーダンスの持つ意味』を見返してみると・・・。そうですね、次は『整合』についてお話することにします。

(当社の高周波(RF)の対応実績はこちら)

私たちが従事している高周波の世界で『整合』とは、異なるインピーダンスの線路を接続する際に行うインピーダンス整合のことを指します。インピーダンス整合とは、信号を送り出す側の回路の出力インピーダンスと受け取る側の回路の入力インピーダンスを合わせることです。では、何故インピーダンスを合わせる必要があるかと言うと、異なったインピーダンスをもつそれぞれの回路をそのまま繋げると、回路の接続部分で損失(反射)が起きてしまうからです。このように損失を最小限に抑え、最大の効率で伝送するための手段をインピーダンス整合と言い換えることができます。

とは言え、高周波初心者であった入社したての自分から見ると、何のことかわからず苦労したのを覚えています。そこで、『整合』を理解するために私がおこなったイメージを元に説明したいと思います。

私が最初『整合』を理解するために、イメージしたのは、水の流れです。右図上のとおり、水路Aと水路Bという、2つの異なる幅の水路を繋げることを考えてみましょう。そのまま繋ぐと、右図中のように、当然ながら水はつなぎ目のところであふれてしまいます。

これを右図下のように、2つの水路をスムーズに繋げる水路を新たに設けると、水があふれるのを避ける事ができます。(実際には水路Aと水路Bの断面積を揃えるために、深さも調整しないといけないのですが・・・・)

このように水路A(送り側回路)と水路B(受け側回路)の接続において、水があふれる(損失する)ことなく接続する作業を『整合』といい、新たに設けた水路を『整合回路』と呼ぶことができます。

ただし、実際の水の流れと高周波信号の伝送では原理が異なっています。例えば、水は体積・質量が存在するため、重力に逆らった逆流(反射)は起きませんが、高周波信号では反射して入力側に信号が戻ってくるといった現象があったりします。前述の通り、あくまでも『整合』を理解するために、かなり強引な見方をしている点にご注意いただければ幸いです。

さて、そろそろ紙面も尽きてきました。またお会いする機会があればよろしくお願いします。

当社の高周波・無線ホームページは、下記からご覧いただけます。前回ブログ投稿時から、かなり情報更新されていますので、興味をお持ちの方は、是非一度お立ち寄りください。

また、高周波関連の過去のブログもご覧ください。

 

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