Wave Technology(WTI) | 半導体周辺回路とその応用製品の開発・設計会社

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

M5stackで簡易Wi-Fiチェッカーを作ってみました

みなさん、こんにちは。
ソフトウェア設計課の南と申します。よろしくお願い致します。

WTIの場合、ソフトウェア設計課と言いましてもプログラムのみを設計しているというわけではありません。仕様設計やコーディングはもちろんですが使用するマイコンの選定も含めた周辺回路の設計というハードウェアの設計に関しても対象業務となっております。

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考えることややることは確かに多いのですが、その分「やりがい」と「達成感」も比例して大きなものとなっています。

この「ハードウェア」について、通常の場合、お客様の依頼に応じて最適な回路を設計し、製品化するのですが、最近は必ずしも一から設計・製造しないといけないというわけではなくなっています。と言いますのも、各社のマイコンが搭載された評価ボードというものが色々と市販されており、周辺のセンサ基板等と組み合わせてプログラミングすることで機能確認用途などでは十分に事足りるものとなっているからなんです。

このマイコンボードですが、単純にマイコンのみが搭載されているもの、USBで接続して簡単に開発できるもの、IoT開発に特化した無線モジュール型、ArduinoやRaspberry Piといったプラットフォーム化されたもの、ブロックの様に組み合わせて構築するものなど様々な物が販売されており選定するのも一苦労という状況です。

今回はWi-Fiモジュール型の「ESP32」というモジュールが搭載されたM5stackというボードの紹介と、これを使った実例をご紹介いたします。

<レシピ>

  • M5stack  :1個
  • 開発用パソコン(Arduino IDEが使えるもの) :1台
  • アイデアと好奇心 :少々

M5stackというのは、ESP32を搭載したM5Stack Inc.製の製品で、Wi-FiおよびBluetoothを扱え、320 x 240 TFTカラーディスプレイ、microSDカードスロット、スピーカー、バッテリーを備えたコンパクトな開発モジュールです(このモジュールの写真を以下に示します。写真の右側がM5stack本体で、左側はパッケージ容器です)。

 

このモジュールのWi-Fi機能を使用して、周辺のWi-Fi電波の強さを測定する「簡易Wi-Fiチェッカー」を作ってみます。

作り方は超簡単で、

  1. Wi-Fiの電波をサーチする。
  2. 取得したデータを画面に表示する。

たったこれだけです。

※本来であれば無線モジュールの使い方を理解して詳細に設計しないといけないのですが、M5stackの開発には専用のライブラリが用意されており、「電波をサーチしてメモリする」「画面のどこに何を表示する」という指定をするだけで簡単に実現できます。

で、できたものがこちらになります。

 

近くを飛んでいるWi-Fiの電波を捕まえ、SSIDと電波強度を画面に表示しています。

これを使ってご家庭内を歩き回ると、その位置でのWi-Fiの電波の強さがわかりますので、ルータやリピータの置き場所設定やアンテナの向きの検討などに効果を発揮します。

この製品にはボタンもついていますので少し遊び心を加えてチャネルごとに並べ替える画面も作ってみました。左のボタンで切り替えられます。

本来であれば多くの開発費や開発期間が必要になる場合でも、このようにプラットフォーム化された市販品を使うことで、安価に早く開発できるメリットがあります。みなさまもぜひお試し下さい。

 

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