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高周波アンプ開発では発振対策も大事

みなさんこんにちは。高周波設計第一課の藤井です。

高周波設計第一課では、高周波アンプに使われる増幅デバイスを扱っています。

(当社の高周波電力増幅器開発サービスはこちら)

高周波アンプの性能を表す指標としては、出力電力、利得、効率などがあり、それぞれの要求性能を満足できるよう開発が進められます。ただこれらの性能とは別に、高周波アンプ開発で注意すべき重要な問題があります。それは「発振しないこと」です。

なんだ、そんなのあたりまえじゃん と思われるかもしれませんがこれが意外と難しい場合があります。性能の良いアンプを作ろうとすると、利得が大きいデバイスを選択したり、回路のロスをできるだけ小さくしたり、といった工夫が必要になりますが、これらは「発振しやすい」ということと隣り合わせになりがちです。

したがって増幅デバイス開発やアンプ開発では、求められる性能を追い求めながら、発振しないようにすることにも注意を払う必要があります。

高周波アンプでは、動作周波数では当然ながら所定の利得が必要なのですが、動作周波数以外の周波数でも利得をもっていると、その周波数で不要発振を起こすことがあります。そのため動作周波数以外での不要な利得を抑えることが発振対策では重要になります。

前述の利得を抑える方法として代表的な例を1つご紹介いたします。

下に示した図は増幅デバイスにFETを使った高周波増幅回路の一例です。ゲートバイアス回路は、1/4波長伝送線路(アンプの動作周波数で1/4波長の長さをもった伝送線路のことです)とアンプの動作周波数で自己共振するキャパシタ(C1)、直列抵抗R1とキャパシタC2で構成されています。

この構成ではR1とC2は動作周波数でのアンプ特性に影響を与えないのですが、動作周波数以外の周波数ではR1とC2の特性がアンプの特性に影響します。ここでC2に低周波でインピーダンスが低くなるような容量を選択するとR1とC2によって低周波信号が減衰するので、動作周波数での特性に影響を与えることなく低周波での利得を低下させることができ、低周波発振を防止してくれます。

なお、C2の容量は、発振を抑制したい周波数に合わせて選択することが必要です。またC2は1個だけでなく、発振を抑制したい周波数に応じて容量値を変えて複数設けるとより広い帯域で発振防止効果を持たせることができます。

高周波アンプを扱っていると発振トラブルに遭遇することもあります。このようなトラブルに巻き込まれないためにも、ここでご紹介したような発振対策について回路設計の段階から気を配っておくことが重要なんですね。

WTIには高周波の経験が豊富なエンジニアが在籍しております。お困りの際はお気軽にご相談ください。

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