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防水製品の開発で押さえておきたいポイントとは?

みなさんこんにちは。WTI構造技術課の城本です。

昨今、あらゆる分野の製品で「防水仕様 IPX5、6、7」の言葉を目にされることがあるかと思います。スマートフォンでは防水仕様はスタンダートな機能となっており、その煽りを受けていまや防水機能はコンシューマ製品全体に求められるようになりつつあります。
前回、防水設備の導入についてご紹介しましたが、当社の開発内容も防水要素を含む製品が大半を占める状況となっており、嬉しいことに新規のお客様からもお問合せを頂く機会が多くなっています。

<お問合せを頂いているサービス>

そこで今回は、防水製品の開発でお客様から最も多く寄せられた質問とその対処法について、少しご紹介させていただきます。


■Question 1:

防水製品と非防水製品の構造的な違いって何?

■Answer 1:

防水製品には筐体間に防水を担保させる構造物として、パッキンなどの防水部品が必要となります。(図1)

図1. 防水構造事例

■Point 1 :

防水部品のサイズによって、デザイン的な制約が生まれます。
デザイン重視の民生品ではこれらの制約によって、初期デザインから変更を余儀なくされるケースも多くあります。
デザイン検討前に製品仕様に合った防水構造の検討をお勧めします。


■Question 2:

ある程度の防水性能を持たしたいが、どちらかというとデザイン性と生産コストを重視したい。
このような場合、製品の保護等級はどのレベルまで実現可能か?

■Answer 2:

同じ保護等級においても製品仕様によって異なる場合はありますが、おおまかな目安として、IPX2以下の製品ではケース間の位置決めリブなどを工夫することで新たな防水部品を設けずとも外部からの浸水を抑える構造を確立することができる場合があります。(図2)
そうすることで、「デザイン性の向上」と「生産コスト低減」といったバランスの取れた製品開発が可能です。

図2. IPX2の防水構造事例

■Point 2 :

構想段階で防水構造による影響を十分に吟味して、仕様の取捨選択をすることが重要となります。


■Question 3:

防水製品の評価とはどのようなものですか?

■Answer 3:

防水評価は専用の試験設備を用いて評価を行います。
合否判定は内部に水分検知シートを貼り付けて浸水の有無を確認します。
浸水があった場合は検知シートの反応が濃い場所から原因を探って浸水場所を特定します。

■Point 3:

カスタム製品において、デザインは一品一様です。
つまり防水構造も同一形状の踏襲は非常に困難ということになります。
このような背景から防水製品では「カット&トライ」の評価を念頭において試験設備の確保を行いスケジュール策定することが重要です。


今回は、防水製品の開発で押さえておきたいポイントをお伝えしましたが、WTIでは、これまでの開発で得たノウハウを基にあらゆるシチュエーションで最適な防水構造をご提案することが可能です。

その一貫として、多くのお客様からご要望をいただいていた防水設備のレンタルサービスを6月から開始いたします!!

◆お客様からの相談事例

  • 自社で開発した製品の防水評価を行いたい
  • 認証機関で最終評価を行う前に事前検証を十分にしたい
  • 防水機能の限界評価を行いたい

このような用途でお困りのお客様には是非ともご活用いただきたいサービスとなっております。

上記以外にも試験の受託サービスもありますので、お気軽にご相談頂ければと思います。

【関連リンク】

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防水設計におけるネジの重要性について
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熱流体解析を用いた放熱対策
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