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半導体パッケージの紹介 第5弾「リードフレームパッケージ」

皆さま初めまして、東京事業所パッケージ設計課の土谷です。

前回の半導体パッケージ紹介第4弾のブログではワイヤBGAパッケージについてご紹介しましたが、今回のブログでは、リードフレームパッケージについて説明します。

 

リードフレームは、ICやLSIなどの半導体パッケージに使われ、半導体素子(半導体チップ)を支持固定し、外部配線との接続をする部品のことで、金属素材の薄板で作られ、ICやLSIなどの外側に出ているリード端子部分となります。
現在のICパッケージは多種ありますが、リードフレームパッケージは、ICの黎明期から用いられている元祖ICパッケージとも言える存在です。

 

リードフレームパッケージには以下のような特長があります。

  1. 強度が強く、熱導電率(放熱性)が高い
  2. スタンピングやエッチング加工でリードフレームの形状を成型しやすい
  3. 耐熱性に優れている
  4. 耐応力や腐食割れ性に優れている
  5. 表面光沢や耐ウィスカー性に優れる

まず、リードフレーム材料について簡単にご紹介します。

リードフレーム材料には、42アロイと呼ばれる鉄系材料と銅系材料があります。この内、私が扱っているのは銅系材料です。

この銅系材料は使用されるリードフレームパッケージによっても特長があります。
ディスクリート、トランジスター、IC用には無酸素銅をベースとした高純度な銅合金が使用され、多ピンLSI用には高強度、高導電性の銅合金を使用しています。
また材料は、リードフレームパッケージの種類にかかわらず、リードフレームの加工性、レジンとの密着性、ワイヤーボンディング性、めっき性に優れているものを選定することが重要なポイントです。

このようにして選定されたリードフレーム材料を加工していくわけですが、その加工方法についてご紹介しますと、リードフレームの加工方法には、エッチングとスタンピングの2種類の加工方法があります。

エッチング加工

金属板の両面に所望のフォトレジストパターンを形成し、両面から薬液にてエッチングすることにより、半導体素子搭載部、インナーリード、アウターリード、これらを固定している外枠部を成型することができる加工方法です。少量・短納期に対してメリットがあるリードフレーム加工方法です。

スタンピング(プレス)加工

精密金型を使い打ち抜きにより加工する方法を、スタンピングもしくはプレス加工と言います。大量生産に対してコストを低減させるメリットがあるリードフレーム加工方法です。

最近のリードフレームタイプのパッケージの特徴

ICの高集積化や高速動作化に伴いチップの発熱量はどんどん増加する傾向にあります。このため、チップの温度上昇を抑える放熱対策の重要性が増しています。この放熱手段としては大きく2つあり、1つ目はチップを搭載するダイパッド部を厚くしたパッケージタイプ、2つ目はダイパッド部を露出させるパッケージタイプです。
また、大電流化に対応する低抵抗接続構造のリードフレームパッケージも増えてきています。

 

今回は、リードフレームパッケージについてご紹介しましたが、次回は電気解析をご紹介します。

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