みなさま、お久しぶりです。今回で5か月ぶり3度目の登場となります(株) Wave Technology高周波設計第一課 課長の橘高です。
さて前回は同じく高周波を取り扱う、高周波設計第二課の大塚さんが『Bluetooth関連、やってますよ!』と書かれていましたが、システムに近い話は第二課にお任せして、高周波の概念的な話を書きたいと思います。
(当社の高周波(RF)の対応実績はこちら)
今回は前々回の『高周波回路の設計 ~整合とは~』からの流れで、ちょっとだけお話したいと思います。と言うのも、新人さんが必ずといって良いほど引っかかるポイントだからです。
偉そうにブログを書いている私自身も、学生時代には全く別の化合物半導体物性を学んでいましたので、入社して数年は何をやっているのか分からない状態でした・・・今でも???(笑)
そもそも整合とは何かと言う事ですが、一般的には電気信号を伝える場合、送り出す側の回路インピーダンスと、受け取る側の回路インピーダンスを一致させるという事です。
この条件が成立すれば、最も効率よく電気信号のエネルギーを伝える事ができます。
特に高周波の分野で言い換えると、ある回路からある回路に高周波信号を送る場合に、回路の接続部で生じるロスを最小限に抑えることができます。
ではインピーダンスが一致していないとどうなるかと言うと、接続部分で高周波信号の反射が起きて、せっかくそこまでに増幅していた電力をロスさせてしまうことになります。
ここでインピーダンスと言う言葉が出てきましたので少し説明したいと思います。
この言葉を辞書で調べてみると、『交流における電圧の電流に対する比』と書いてあります。
私たちの取り扱う高周波も交流と言い換える事ができます。
また電子回路は抵抗、コイル、コンデンサで表すことができるのですが、それぞれ交流で考えた場合
抵抗:電流と電圧の位相は同じ
コイル:電流は電圧よりも位相が90度遅れる
コンデンサ:電流は電圧よりも位相が90度進む
といった特徴があります。(ここが非常に曲者です。まずはそういったものだとご理解いただければ幸いです)
抵抗であれば、電圧と電流の比は常に一定なのですが、コイルやコンデンサでは電圧と電流の比は一定にはなりません。
このため位相の振舞いを表現するために、インピーダンスという、交流の中で回路の電気特性を表す尺度を用いることが重要となります。
全ての回路はインピーダンス(Z) Z=R+jXという数式で表すことができます。
ちなみに、Rを抵抗成分、jは虚数単位、Xをリアクタンス成分といいます。
概念的な説明をするつもりでしたが、とうとう数式が出てきてしまいました。
理論的なことは世の書籍に譲りますので、もし興味をお持ちになられたら調べてみて下さい。
当社の高周波・無線ホームページは、下記からご覧いただけます。
興味をお持ちの方は、是非一度ご覧ください。
また、高周波関連の過去のブログもご覧ください。
「高周波」ってなんだろう?
意外と身近な無線通信
高周波電力増幅器とは?
高周波回路の設計 ~整合とは~
Bluetooth関連、やってますよ!
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