みなさんこんにちは。電源設計課課長の佐伯です。
17年度もスタートして、早一ヶ月が経ちました。
年度初めと言えば新入社員が配属されるのですが、電源設計課にも配属が決まり、ちょうど今育成計画を練っているところです。
WTIでは社員の育成にも力を入れており、その成長度合いを客観的に見えるようにしています。
例えば新入社員は3年間の育成計画に基づき、定期的な進捗確認として成果報告会を実施しています。
(詳細は「社内教育のご紹介」をご覧ください)
この後も“成長の見える化”として専門の技術領域の成長を見極める認定試験という関門が設けてあります。 このようにすることで社員が共に競い合い、成長しようとする励みを期待しているのです。
特に技術者として成長しているかどうかは、WTIの将来にも直結することで、最も重要なことでもあります。
電源設計課においては、もちろん電源に関する技術に重点を置いた問題を出していますが、難しい公式を覚える必要はなく、基本的な原理原則を理解しているかを問うものです。
この原理原則に基づく考えや行動が特に重要だと考えているからです。
ここでその一例をご紹介したいと思います。
問題
下記の回路の動作においてt(off)を求めよ。
但し、回路損失、ダイオードのVfは無視できるものとする。
t(off)を求める式は、2÷f×Io÷Ip(f:周波数、Io:出力電流、Ip:ピーク電流)となり、
t(off)=2÷20000×0.2÷1.5=13.3μs が答えとなります。
この式を覚えていれば簡単に導き出されるのですが、普段こんな式を扱うことはなく、覚えている人もまずいないです。
ここでこの問題が解けるかどうかというのは、この回路を本当に理解しているかどうかということになります。
理解していればあっさり解けてしまうのです。
出力電流は200mAとありますので、これはコイルに流れる電流のt(off)の期間ということになります。
つまり、この3角形の面積総和(1秒分)が200mAとなれば良いので、
0.2A=三角形の面積1周期分 × 周波数
=1.5A×t(off)÷2 × 20000Hz
これを解けば、t(off)=13.3μsとなります。
答えを聞けば簡単なことです。また時間をかければ誰でも解けると思いますが、このような問題がたくさんあり、限られた時間の中での試験となると、やはり回路の動作、各部の電圧・電流波形が理解できていないと点には結びつきません。
このように認定試験一つをとっても原理原則の理解が求められ、作業者ではなく技術者としての成長が求められるのです。
WTI電源設計課では、設計はもちろん、評価のみの受託も行っております。評価のみとなりますと、決められた条件や手法での定型業務になりがちですが、評価を行っていく中で課題が見つかれば、対策案を提案させていただくなど、常に『設計者としての品質』を提供していると自負しています。
また、設計や評価を依頼したいとなっても、仕様が明確になっていないとか、依頼の資料をまとめるのも大変ということで、依頼するのも難しいということがあると思います。
そんなときは、仕様決めも含めて一緒に検討させていただくこともできますので、何かお困りのことがありましたらまずはお気軽にご相談下さい。
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