みなさん、はじめまして。
第二技術部 カスタム技術課の楠下です。昨年カスタム技術課に新卒で配属され、現在は社会人2年目の日々を過ごしています。
配属当初から、主に「リバースエンジニアリング」の業務を担当しており、現在は回路設計、LabVIEWを用いたソフト設計などの設計業務も日々勉強中です。
入社してまだ1年と数か月ですが、メイン担当のリバースエンジニアリングではこれまで数多くの案件に携わり、最近では製品の仕組みや動作を理解できることの楽しさを実感しています。今回のブログでは、「リバースエンジニアリング」をご紹介したいと思います。
○リバースエンジニアリングとは
図1 リバースエンジニアリングとは
一般的にリバースエンジニアリング(テアダウン)とは、既存の製品を解体・分解して、製品の仕組みや構成部品 、技術要素などを分析する手法のことを言います。この手法により、その製品に使用されている技術を分析、調査、確認することを可能とし、新製品の開発などに役立てることができるものです。
この分野でWTI にご要望いただいているお客様は、⾃動⾞・医療(⻭科医療)・ヘルスケア・産業機器・⺠⽣機器と多岐にわたっております。WTIのリバースエンジニアリングサービスは、プリント基板から部品表・回路図の作成までを実施していますが、製品の購入や、分解から依頼を頂くこともあります。
その他にもお客様のご要望によって、機能ブロック図作成、動作確認、構造分析、価格調査等の設計会社である特長を生かしたPlusのサービスも提供しています。
(リバースエンジニアリングplusの事例はこちら)
○リバースエンジニアリングの工程
図2 リバースエンジニアリングの作業工程1. 製品分解・外観検査
主に基板のサイズや部品数・層数の確認、基板の写真撮影をしています。製品分解の際は、分解工程も写真に残しているため、基板上の回路だけではなく、製品としての構造や接続情報を見ることができます。
2. 基板パターン解析
最初に、部品の取り外し作業を実施します。取り外す前には、部品一つ一つに番号を付ける“ナンバリング作業”を実施します。取り外した部品はそれぞれ個別に梱包します。次に、部品が取り外された基板を銅箔層ごとに研磨し、銅箔パターンを撮影します。WTIでは各銅箔層写真も標準アウトプットに含めており、基板設計上の工夫等の技術要素が見られることもあります。
3. 部品調査
RC部品(抵抗やコンデンサ)の定数測定、Tr(トランジスタ)やDi(ダイオード)等の部品極性チェック、メーカーおよび型番調査を行います。
4. 回路図化
WTIでは特に、回路図の品質にこだわっています。ここで言う“品質”は、“意図の分かりやすさ・読みやすさ”を指します。
回路設計者が解析を行い、回路動作を推定しながら回路図を作成します。また様々な分野のエンジニアが在籍していること生かし連携しながら、質の高い回路図をご提供できるよう努めています。5. Plusの解析
Plusのサービスとして、機能ブロック推定、製品特性評価(評価環境の構築を含む)、価格調査、製品構造分析なども承ります。
○リバースエンジニアリングが活躍する場面は?
- 最新の技術トレンドを調べ、性能改善や新機能追加、コストダウン等の仕様検討に役立つ
- 既存の基板を基に再設計・改良を行うことで、性能を向上させることが可能
- 故障した基板の問題特定や、EOL対応にも役立つ
- 過去に設計された製品の設計図や仕様書がなくても回路図の復元が可能
- 自社特許の侵害がないか調査することが可能
実際に、お客様の中には、製品開発工程の一部として当社リバースエンジニアリングを採用いただいているところもいらっしゃいます。
○おわりに
ここまでリバースエンジニアリングについてご紹介しました。
今後も多くの知識とスキルを吸収し、お客様のご要望に応えられるよう日々技術者としてスキルアップを目指します。
リバースエンジニアリングに興味がある、ご検討中のお客様、ぜひお気軽にWTIへお問い合わせください。
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