Wave Technology(WTI)-ウェーブ・テクノロジ

WTIは技術者不足を解決する「開発設計促進業」です

電験三種(第三種電気主任技術者資格)はどうしたら取れるの?

技術教育センターの前川ですみなさんこんにちは。技術教育センターの前川です。

当社は技術者集団の会社ですので、その技術力を見える化するため、以前のブログでもご紹介したように、社外資格の取得を勧めています。教育センターとしてもそれをサポートしていて、これまで陸上無線系資格試験基本情報技術者試験の合格方法を紹介しましたが、今回は当社の強みの一つである電力・電源技術に関連した国家資格である「電気主任技術者」についてご紹介します。


このブログでは、当社メインキャラクターの「なみりん」(当社へ入社志望の女の子)と、イッくんとのインタビュー形式でお送りします。(イッくんは筆者のニックネームです(イクセイ))

なみりん■なみりん: 「電気主任技術者」ってどういう資格なの?
 
■イッくん: 電気主任技術者は電気事業法に基づく国家資格でして、事業用電気設備の保安監督の独占業務とされています。該当する電気設備の施設には必ず電気主任技術者をおかなくてはならないのですよ。表1に各業務範囲を示します。

 

表1 電気主任技術者の区分と業務範囲

電気主任技術者 区分 業務範囲
第一種 すべての事業用電気工作物
第二種 電圧17万ボルト未満の事業用電気工作物
第三種 電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物
(出力5,000キロワット以上の発電所を除く)

 

当社では事業用電気設備の保安監督を行うわけではありませんが、各種電源回路や電力システム、パワーデバイスの設計や評価を行う業務が多いので、上表の第三種の資格取得を推奨しています。それぞれの資格の受験者情報は次のとおりです。

  1. 第一種電気主任技術者
     第一種の受験者は最近では年間2千名弱で合格率は数%ととても厳しいです。
  2. 第二種電気主任技術者
     第二種の受験者は年間8千人ほどで合格率は数%ととても厳しいです。
  3. 第三種電気主任技術者
     第三種は、試験が2022年度から年2回になりまして、受験者は年2回の合計が8万人ほどで全科目合格率は10%弱です。一種、二種ほどではないですが厳しいです。

■なみりん: 社会の産業や生活の基盤を支える電力や電源の技術でとても大事そう~。 何を勉強したらよいのかなぁ? その試験の内容を知りたいわ。

■イッくん: 電験三種の試験科目と範囲は下の表2のようになっています。

表2 電験三種資格の試験科目と範囲

資格 科目 試験範囲 試験時間
電験三種 理論 電気理論、電子理論、電気計測、電子計測技術 90分
電力 水力、火力、原子力等の各発電技術とその発電所・変電所の設計・運転技術、送電線路・配電線路(屋内配線含む)の設計・運用、電気材料 90分
機械 電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送・処理技術 90分
法規 電気法規(保安に関するもの)・電気施設管理 65分

 

■なみりん: 電磁気学の理論や電気電子回路から実用的な電気機器までの難しそうな内容なのね。私はこんな分野を勉強したことがないので無理だわ(涙)。

■イッくん: 確かに初心者にとっては不安かもしれませんが、当社では専門外の人でもわかるように、この資格に関係する講座として次を開講していますので合格にとても役立ちますよ。それらを紹介しましょう。

  1. アナログデジタル回路講座  (対象:新入社員、総講座時間:約70時間)
    これまでにもご紹介した初学者向けのアナログとデジタルの電子回路講座です。
  2. 電気電子回路講座  (対象:新入社員、総講座時間:55時間)
    簡単な回路法則から交流理論、過渡現象、増幅回路、負帰還回路、発振・変調回路、電源回路など回路全般についてシミュレーションをしながら回路の基礎を理解することができます。
  3. 電磁気学講座  (対象:新入社員、総講座時間:30時間)
    電荷によるクーロンの法則、コンデンサ・コイルの機能理論、電気と磁気の相互作用、電磁波理論とアンテナからの放射原理、など様々な電気機器の理解に必要な電磁気学の基礎を理解できます。
  4. 半導体概論講座  (対象:新入社員、総講座時間:30時間)
    ダイオードやトランジスタなど半導体を使ったデバイスの動作原理を、半導体物性から実際の回路応用までわかりやすく学びます。
  5. 電験三種講座 (対象:全社員、総講座時間:16時間)
    電験三種の試験勉強に特化した講座であり、4科目の中から希望者に応じて選び、半年単位で学習します。内容は各理論の解説と過去問の解答の説明が中心で、受講者の質問にも詳しく回答して理解を深めます。

これらを受講した結果として、受講者が続々と資格を取得しています。また、私のような専門外の者でも、受講したことにより電験三種に合格できました。基礎理論科目は、過去問を解くだけでは正解できないので、電磁気学や電気電子回路の基礎講座で理論をしっかり勉強したことがとても役立つことを身をもって実感しました。

■なみりん: たくさん講座があるのね。これらを大学ではなく会社で受講できるなんて、すごい会社!
ただ、講座を受講するだけで合格できるのかしら? 他に何か秘訣があれば教えてほしいなぁ。

■イッくん: 電験三種の合格者からヒアリングした合格のための主な3つの秘訣は次のとおりでした。

①4つの試験科目の攻略については、科目合格すれば合格年から3年間有効ですので、1科目ずつ半年ごとに確実に合格していく。無理に複数科目の合格を目指すと、どれも不合格になり却って時間がかかることがある。
②勉強時間については、通勤時間や休憩時間、寝る前などのスキマ時間をうまく使う。スマホでゲームをする代わりに、暇つぶしの感覚で過去問サイトに少しずつ取り組む。短い時間の繰り返しなので疲れず飽きないので継続できる。
③勉強の教材については、テキスト本や過去問題集だけでなく、良いネット動画やネットサイトを選んで活用する。 (良い動画とは過去問の答えを言うだけではなくその論理的・技術的理由を説明している動画。悪い動画は、解説内容が間違っていたり、答えしか紹介しないもの)

なみりんも当社に入社したら、合格できる「とっておきの方法」をお教えしますので楽しみにしてくださいね。

■なみりん: WTIに入社すれば、こんな難しい資格も取れるのね。私も早く入社して電源回路や電力システムを設計できる技術者になりたいなぁ~

最後までお読みいただきありがとうございました。では、次回をお楽しみに。

 


【関連リンク】

【WTI社内教育/採用関連ページ】

【WTIの技術者教育サービス関連ページ】

 © 2005 Wave Technology Inc.