みなさん、こんにちは。
電源設計課の坂東です。
前回はパワーコンディショナ(パワコン)についての説明とパワコン評価試験の概要、雷サージ試験についてお話しさせていただきました。
今回はパワコンの機能で重要な役割を担っている電圧検出回路について、お話しさせていただきます。
(WTIの電源設計サービスはこちらをご参照ください)
■電圧検出箇所
太陽光パネルの電圧を検出する<入力検出>、受電設備側の系統電圧を検出する<出力検出>、パワコン内部の高電圧部を検出する<内部検出>を例にとります。
図1.パワコンの検出回路例
<入力検出>
太陽光パネルからの電圧を検出し、日射の状態を監視します。
異常な電圧上昇や日射の低下を検知した場合は、パワコンを停止させる判定に使用します。
また、電流検出も可能ならパネルの発電電力を確認できます。
<出力検出>
出力検出は、系統電圧・電流・電力を検出し、出力制御に反映させます。
受電設備の系統電圧を検知し、系統電圧の異常や停電の有無を監視します。
系統電圧の上昇や低下を検知した場合は、発電を停止したり、出力を制限する判定に使用します。
ちなみに、出力電流を検出することでパワコンからの発電量を算出し制御に使用しています。
<内部検出>
太陽光パネルから供給された電力を、系統側に逆潮流(系統に送り返す売電モードを指します)するため、パワコン内部には高電圧回路があります。この高電圧回路の電圧を監視すると共に、異常な電圧上昇や低下などを検知し、パワコンを停止させる判定に使用します。
■電圧検出回路について
電圧検出の方式について、今回は直流(DC)の回路で電圧検出する方法の一例を紹介いたします。
- 直流の電圧検出回路について
直流(DC)の電圧検出は意外とシンプルで、下記のように分圧抵抗で電圧を下げてマイコンで検出する手法でも電圧の検知が可能です。
図2.DC側の電圧検出回路例
回路構成はシンプルですが、検出対象の電圧が高いほど回路電流を抑えるために高い定数の抵抗が必要になります。太陽光パネルの電圧が例として挙げられます。高抵抗の部品となると入手が難しいことや抵抗の使用数が少ないなど、製造面での問題が出てくるため、下記のように抵抗値が高いものを複数直列接続する手法をよく使います。これにより、抵抗1つあたりの消費電力も分散することができます。
図3.検出抵抗の選定例
以上、入力側電圧検出回路の例を紹介しました。
パワコンの評価には、回路に関する評価も含まれます。
回路機能の動作確認や部品定格の確認など様々です。
パワコンの評価だけでなく、回路設計でもサポートできる技術者が多数おりますのでお困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。
次回は出力側(交流側)の電圧検出回路についてお話しさせていただきます。
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