電源設計課の道津です。
今回は電源設計における「絶縁」の基本的な話をしたいと思います。
電源設計において、絶縁は主に機器の安全性の確保やノイズによる誤動作の防止のために用いられ、電源を使用する機器の安全性・信頼性にかかわる重要な要素となります。
絶縁にはいくつかの種類があり、それらは機能絶縁、基礎絶縁、付加絶縁、二重絶縁、強化絶縁と呼ばれています(下表参照)。前述の電源における絶縁の種類の中で、ノイズによる誤動作防止や耐電圧の確保は機能絶縁、安全性の確保は基礎絶縁~強化絶縁で主に実現されます。(一方、機能絶縁には安全性はほぼ期待されておりません。)
表 1 絶縁の種類
(※)一般的に尖頭42V・直流60V以上の電圧、JIS C6950-1参考
安全性の高い二重絶縁や強化絶縁が適用される電源では、表1の下線部分のとおり、基礎絶縁に対し、大きな絶縁距離の確保や付加絶縁の絶縁物の厚みが必要となります。 基礎絶縁のみの場合に比べ、電源回路のサイズ・コストが増大します。そのため絶縁(安全性)・サイズ制約の要求を満たしつつ、コストを最適化した電源設計が必要となるのです。
WTIでは絶縁・サイズ・コストを考慮した電源設計も承っております。もし電源設計のことでお困りでしたら、ぜひ当社にご用命ください。
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