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『半導体パッケージどれなら使える?』~半導体パッケージ選択編~

皆さんはじめまして。東京事業所パッケージ設計課の野村です。

これまで、WTIブログ(半導体パッケージ関連)でフリップチップBGAやワイヤBGA等の様々な半導体パッケージに関して紹介をしてきましたが、今回のブログではこれまでご紹介した各半導体パッケージの特性を生かした、パッケージの選択例を簡単にご紹介したいと思います。その内容としては「半導体パッケージの共用化」です。

半導体パッケージの共用化自体は珍しいものではないのですが、今回ご紹介する内容は、フリップチップBGAとワイヤBGAの異なる組立構造でPin互換を行う場合の一例で、概要は以下です。

 

図1 半導体パッケージ共用イメージ

 

図1のように複数の製品仕様に対して、半導体パッケージを共用化することにより、1つの半導体パッケージで、様々なユーザー要求に合わせた製品を提供することが可能となります。もちろん上記の仕様を満たすことは設計面、製造面、コスト面で特徴を理解したうえでパッケージの選択が必要です。(詳細な設計手法例は別の機会に紹介させていただきます。)フリップチップBGA、ワイヤBGAの特徴をそれぞれ生かした半導体パッケージの共用化選択の目安は以下です。

1.消費電力増加への対応

消費電力が大きい製品にマッチするのが半導体パッケージの紹介 第3弾『高機能向けパッケージ』 で紹介したフリップチップBGAです。フリップチップボンディング方式は、図 2で示すように、チップの電極とパッケージ基板上の電極を向かいあわせにバンプを介して接続するため、ワイヤボンディング方式と比べて短配線で接続できる点と、チップ全面にピン配置が可能である点と、電源/グランドピンを豊富に配置できる点から、大電力化に適しています。

 

図2 フリップチップBGAパッケージ

 

2.低コスト化

消費電力が小さい場合には、ワイヤBGAを採用することで、フリップチップBGAのコストが高価であるというデメリットを回避することが可能です。

表 1のような半導体パッケージの特徴に基づき、最適な半導体パッケージの選択を行います。

 

表1 半導体パッケージの特徴

1 シリアル転送インターフェース

表1において、なぜワイヤBGAは大電力化に適してないのでしょうか?

ICチップの内部仕様の違いもありますが、半導体パッケージの紹介 第4弾『ワイヤBGAパッケージ』で紹介したワイヤBGAは、図 3で示すように、ICチップと基板をφ0.02mm程度の金属ワイヤで圧着接合して外部端子へ接続します。そのためワイヤに流せる電流量が限られる上に、細くて長いワイヤは抵抗値も高くなり、消費電力が制限されてしまうからです。

 

図3 ワイヤBGAパッケージ

 

 

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